日本初・純国産ウォッカで世界市場へ!元プロサッカー選手の未知なる挑戦

ボルテージが上がったお酒の場。
テキーラ、イエガー、コカレロ…誰もが一度は、濃いお酒のショットをクイッと流し込んだことがあるでしょう。
もし、そのイッキでさえも美味しく楽しめるのなら。
その場はまさに最高の空間となるのではないでしょうか。
今回は全国のお酒好きに話題の、日本初の純国産ウォッカ「Keys&Bricks」の魅力に迫りました。
ADIATE株式会社 エルサムニー・オサマさん
元サッカー選手。都内を中心に拡大を続け、たった3年で海外進出を果たしたお酒のベンチャー企業でセールス担当を務める。

日本初の純国産ウォッカ「Keys&Bricks」とは

巷で“キーズ”の愛称で親しまれている「Keys&Bricks」はショットで楽しめるお酒です。
「Keys&Bricks」誕生の裏には作り手の大きな夢と想いが込められていました。

サッカーが全てだった人生

エジプト人のお父さん、沖縄人のお母さんの元に、お姉さんとお兄さんの3人兄弟の末っ子として生まれたオサマさん。15歳まで沖縄で過ごします。お父さんもお兄さんもプロのサッカー選手、オサマさんも15歳でプロサッカー球団のユースにスカウトされ、17歳でプロ契約を結びました。しかし、そのプロサッカー選手としての生活はとても波乱万丈なものでした。国内で3年間、欧州のリーグで2年間を選手として過ごしましたが、大きな怪我により戦線離脱を余儀なくされてしまいます。東北の球団に移籍した22歳の頃には東日本大震災にて被災。更に次のチームでは入団1ヶ月で再び、大きな怪我に見舞われてしまいました。「なんで俺ばっかり・・・」と塞ぎ込む毎日が続きます。
そんなオサマさんを側で支えてきたのが2つ上のお兄さん、アリーさんでした。プロサッカー選手だったアリーさんは、オサマさんより先に引退をし、ビジネスの世界で活動を始めていました。その当時、アリーさんが手がけていたのが、お酒の企画・製造・販売だったのです。
自分にはサッカー以外、何も出来ないと思い込んでいたオサマさんに、アリーさんは色々な世界があることを教えてくれました。アリーさんの支えもあり、オサマさんは27歳の時に引退を決意します。

兄弟二人三脚で、新しいお酒作りへ挑戦

アリーさんが始めていたお酒の事業の繋がりから、福井県の酒蔵とのご縁ができました。福井県と言えば、日本でも有数な酒蔵として有名です。二人はこの時に「日本のブランドとして最高級のものを作って勝負がしたい」と想いを巡らせました。様々な情報収集をするうちに、世界で一番飲まれているお酒はウォッカで、主流は無味無臭のウォッカであることに気がつきます。対して日本のショット用のお酒はテキーラが代表的で、味を楽しむものではないという事実にも目を向けました。
そういった試行錯誤の末、導き出された商品コンセプトが

「日本初、純国産のプレミアム フレーバー ウォッカ」

だったのです。

 

一からの新規開拓、苦難の連続の日々

作るべき商品が決まったものの、ここからが苦難の連続でした。
生産条件、販路の問題などクリアすべきことが多く、酒販免許の取得も参入障壁として大きく立ちはだかります。酒販免許を取得後も、1から取り扱い店舗の開拓営業。主に店舗開拓を任されていたオサマさんは、毎晩10軒近くの店舗を新規で営業に回っていました。門前払いや、1時間待たされたこともあったそうです。あからさまに不味いと言わたり、置くといっても置いていないという曖昧な返事など、辛い思いもたくさんされてきました。
もちろん今まで営業などしたことのなかったオサマさんですが、逆境を乗り越えられたのは、周りの人に助けられたお陰だと言います。お店の人の心を掴む営業スタイルも独特でした。

独自の武器を生かし「キーズ」の輪を

営業のために新規で入ったお店では、最初からキーズの話はしないそうです。あくまで、いちお客として、お店の方とのコミュニケーションを楽しみます。向こうから仕事の話になった時「こんなお酒を作ってます」と切り出し、実際に飲んでもらいます。味には絶対の自信があるので、飲んでもらえたら殆どのお店で導入が決まると言います。更には「元プロサッカー選手」「エジプトと日本のハーフ」というオサマさんならではの個性が、その出逢いを忘れられないものにしているのでしょう。紹介も多くしてもらえるようになり、その輪がどんどんと広がっていくのでした。

 

海外で愛されるメイド・イン・ジャパン

2016年2月から営業を始め都内では500店舗を超えるバーやクラブへ導入をして頂きました。大阪や名古屋、福岡、札幌など日本の主要な都市でもパートナーさんと拡大を続けています。今年からは北米、欧米、アジア各国より問い合わせも多く頂くようになり、海外への輸出も始まったそうです。

日本の繊細で丁寧な一流の作り手が作る、プレミアムウォッカを世界へ

「僕の心は日本人で、日本が大好きです。日本のもので、世界で勝負していきます。リアルな世界で、キーズを通して世界を繋げたいのです。
キーズを通して、その最高の体験を提供するためにブランドを立ち上げました。ものを売っているというより、皆との楽しい時間を提供している思っています。その価値を世界中に提供していきたいのです。キーズは僕らのストーリーを聞いて共感してくれた皆が広めてくれているので、その想いを乗せていきたいですね。」
今や世界に広がりつつある「Keys&Bricks」の魅力は、謙虚でひたむきなオサマさん自身の魅力かもしれません。

 

「やりたいと思ったらやる」逆境を乗り越える強さの秘訣


 
当時を振り返って、オサマさんはこう語ります。
「大好きなサッカーを失った20代、自分には何もないと思ったのは大きな間違いでした。
やりたいことはきっと見つかります。そのためにも、とにかく何かを始めることが大事ですね。周りは好き勝手言うかもしれないけど、失敗しても死なないから(笑)やりたいと思ったらやってみましょう。人からの、合っているのか間違ってるのかいうアドバイスも、自分には関係のない話なので、突き進みましょう。」

Keys&Bricks

https://www.keysandbricks.com/

編集後記

筆者もオサマ君に出逢ってすぐに、彼の人柄と彼らの思いの詰まったキーズに魅了されました。日本の技術や伝統を応用できる分野はまだまだ、沢山あるんじゃないかと思いました。熱い魂を持った日本のサムライ達から目が話せません!

ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ファミリア・エンタテインメント 代表取締役 / Magic planning株式会社 執行役員。群馬県出身。立教大学卒。 2002年 株式会社日本経済広告社に入社。 2014年 独立後はプロポーズの瞬間を動画で残せるYES CAM®、ファッションサングラスnunettesのプロモーション、水かけ祭りWATERWARS、熱海のプール音楽フェス・EYELAND、群馬の音楽フェス・グンマー★一揆、新宿のONE EAST 東アジア文化祭りなどを主催・プロデュース。他、edc japanやS2O、Color Me Radなどの大型フェスに運営協力として携わる。