幸せな生き方、働き方を実現したい人の応援本『10年後に活きる人脈のつくり方』を出版。河上純二さん

「10年後に活きる人脈のつくり方」という本について教えてください

タイトルそのままで、僕がこれまでやってきた経験をもとにした「人脈のつくり方」の本です。

人脈ということでは日本人サラリーマンの多くは、社内人脈はそこそこできているのですが、社外人脈が弱い印象を受けます。
社内人脈はキャリアを重ねていくことで自然にできますが、仕事以外の社外人脈はなかなかつくるきっかけがないように思います。
SNSで知り合いを広げたりすることで自分を外に売り込むことを行っていても、それがリアルな人脈になることはなかなかありません。

リアルな人脈ができると何がいいかということですが、自分の成長や自分の幸せな未来を築くための支援者ができるということです。だからいろんな人たちとの接点を持つ活動を早く行うと良いとの思いから、この本を出すことにしたんです。

これからの日本の働き方はどんどん多様化していきますよね。副業もそうですが、僕のようにそれまでのキャリアを活かした顧問のような働き方、独立開業という方法もありますし、電通さんがはじめたように、いまいる会社を一度離れて、個人事業主として元の所属先と契約するという働き方もこれからは増えてくると思います。
サラリーマンとして働く場合でも、協業がこれからもっと増えていくと思うので、やっぱり社外人脈はあったほうがいいです。

こうしたことをはじめとして、働き方の多様化がもう目の前に来ているんです。そうした世の中を柔軟に泳いでいくには、自分を世間に伝える手段が必要になってきます。言葉は適切じゃないですが、「自分を宣伝するスキル」というのはこれからすごく重要になってきます。

そんな世の中に変わっていくことがわかっているので、僕は人脈の力で副業、キャリアチェンジ、独立といった自分の道は自分で切り開くことのお手伝いをしたいと考えたことも、この本を書くきっかけになりました。

河上さんが人脈の大切さを訴えるのはどんな理由からですか?

いま僕は50歳ですが、IT系ベンチャー企業やスタートアップ企業11社の顧問業をしています。サラリーマンを辞めて独立して5年目になりますが、サラリーマン時代に7回の転職を経験しています。

そのなかでもとくに印象深いのは、30歳を前にしてレイオフされたことです。レイオフって簡単に言えば首切りです。レイオフなんてアメリカの話だとひとごとに思っていたのが自分の身の上に起きたとき、何のことやら訳がわからず、ものすごいショックでした。いま思えば、青天の霹靂ってこういうことだと思います。
だって、普通に働いていて、会社から「もう来るな」って何の前触れもなしに言われるんですよ。退職後1カ月以上、立ち直れないほどでした。

「これから俺、どうなっちゃうんだろう?」

そんなふうに思い、気分が落ち込んでいたとき、知り合いの人が僕に声がけしてくれたんです。

「うちの会社を手伝わない?」

Web系の新規事業の僕の経歴を知っていた彼が、僕に活躍する場を持ってきてくれました。
青天の霹靂の次は「救いの神」がやってきたんです。このときはじめて、人脈の大切さを思い知らされました。

ここから僕の逆転劇がはじまりました。
この頃、ネット関連ビジネスが急成長していました。PCからモバイル、スマホへと主戦場がどんどん変化するなかで、新しいことへの挑戦意欲が掻き立てられ、僕もその変化に乗り遅れないために会社を変えていきました。
その時々に力になってくれたのが、それまでつながりを持ってきた友人知人の人脈です。

僕がWebや新規事業の知識や経験があることを知って呼んでくれたり、面白い活躍の場を紹介してくれたりしたのは、社外活動での人脈の力でした。僕のことを知ってくれている人たちが僕の転機のときに力を貸してくれたんです。

いま、11社の顧問業として組織に縛られないで、自分の時間を多く持つことができたのは人脈の力のおかげだと言い切れます。
とても幸せな働き方ができたうえに、年収も僕と同世代のサラリーマンの平均よりも多いです(笑)

ところで、本のタイトルに「10年後に活きる」とあるのは、知り合いになって10年にもなると、その人たちがそれぞれの活躍の場で力を発揮してステータスをしっかり上げていることで、その恩恵を受けることにつながるからです。それをストレートに伝えたかったから「10年後に活きる」としたんです。

だから僕がいま、新しく人と出会い、その人との交友を続けていった10年後には、また新たな幸せ人脈が1つ増えているかもしれません。

この本を読んだ読者にどうなってほしいですか?

人生100年時代と言われるようになりましたよね。これでサラリーマンは65歳は当たり前で70歳になっても働くことになりそうです。そうなると、人生の半分は職業人生です。

そうした時代を若い人が将来のことを考えなさいと言われても、はっきりと決めきることは難しいんじゃないかと思います。世の中の仕組みもいまとはだいぶ変わっているはずです。

だから、無理に決めることはないと思います。その代わり、自分のスタンスをはっきりさせておくことはしておいたほうがいいです。

「自分はこういうふうに生きたい」「性格に合わないことは無理にしない」「自分らしさが活かせる生き方をしてみたい」といったように、自分らしい生き方とは何かを早いうちから考えてみるということです。

そこをはっきりさせておけば、これから何をやるかが見えてきます。その方向性に合わせて、例えば語学などのスキルアップや人との出会いなど、やるべきことを一歩ずつはじめてみるといいんじゃないでしょうか。

自分のスタンスを持つことをはっきりさせて、そのためにいろいろなチャンスや出会いを一つ一つ大切にしてほしいと思います。

最後に読者の方々へのメッセージをお願いします

自分の可能性を拡張させようと思ったら、まずは思ったことを小さくやってみることがとても大事だと考えていますし、そうした生き方に僕自身こだわっています。

だから、コミュニティをつくりたいと思ったら、まずは1人や2人からはじめていったわけですが、とにかくやりたいことにはまずは一歩踏み出して、そこから加速度を付けるような事をしていくのがいいと考えています。

SNSでの情報発信でもとりあえず毎日1本上げることをはじめると、10日で10本になり、10日続けているうちにルーティンになります。ルーティンになれば加速度がついて、そこからの階段の上がり方は半端じゃありません。

これからの日本では、自分の可能性の拡張をしてきた人と拡張してこなかった人で、大きな開きが出てくるような気がします。

自分磨きということが言われますが、これからは自分のことは自分で対処しなければならない時代になってくると思います。
だからスキルアップに自己投資することがとても大事になってきます。

それと同時に、誰かと質のよいつながりをどれだけあるかが、その人の仕事の幅を大きくしていくんだと思います。

そのために、少しずつでいいので、質の良い人脈との出会いをはじめてみることをおすすめします。

「10年後に活きる人脈のつくり方 自分らしい、幸せな働き方を実現しよう!」