グンマーより全国へ告ぐ。日本一偏屈な音楽フェス「グンマー★一揆」が仕掛ける地域への「恩送り」フェスの形とは?【前編】

今回は日本一偏屈な音楽フェスを標榜し注目を集める「グンマー★一揆」の発起人、高崎市議会議員の清水明夫さんへのロングインタビューをお届けします。その溢れる地元愛は、地方創生に喘ぐ各地方へヒントになるかもしれません。
(インタビューアー・伊藤洋輔

「グンマー★一揆」の発起人、清水明夫プロフィール


 
1984年群馬県安中市生まれ。大学生時代に起業。2008年にシェアハウス事業を立ち上げ、シェアハウス業界の草分け的存在に。
その後、WEB制作会社を立ち上げ中小企業の売上向上に取り組む。2013年より地元群馬県に戻り地域活動を開始。2015年統一地方選挙にて初当選を果たし、現在高崎市議会議員の一期目。

Q.グンマー★一揆をやろうと思ったキッカケは何ですか?

僕が高校くらいの時に「高崎野外音楽フェスティバル」っていうイベントがあったんですよね。
フリーフェスだったのですが、マキシマムザホルモン、ELLEGARDEN、STANCE PUNKS、B-DASHなどなど、有名なバンドがたくさん出ていて、地元からも、G-FREAK FACTORY、LACCO TOWER、PRINCE ALBERTなどなど、かっこいいバンドがたくさん出ていました。
雨が降る年が多かったのですが、お客さんの熱気がすごくて、客席に湯気が上がっていたんですよね。
あのとてつもないバイブスを今でも忘れずに覚えていて、当時は「無料だ、ラッキー♪」くらいにしかおもっていませんでしたが、大人になってから、あのフェスを運営していた先輩たちに出会って、「ラッキー」が感謝に変わりました。
今でもバンド活動をしたり、フェスに行ったり、音楽には人生の要所要所で救われている気がしますが、あのフェスがなかったら、僕の人生に音楽はここまで入り込んでこなかったと思います。
その感謝の気持ちを、先輩たちに対して重々感じておりますが、先輩たちに恩返しをするというよりは、次の世代に、あの頃の僕のような若いやつらに恩送りをしたいなと思ったんです。
それがフェスをやろうとした理由ですね。
「やろうぜ!」と数人の仲間で集まって、企画を始めてから、会場が見つからなかったり、アーティストさんに相手にしてもらえなかったり、大きな壁がいくつもあり、企画を発表するまでに2年以上の年月を要しましたが、様々な分野の仲間たちや、制作会社さんのお力添えで、ようやく、「フェスをやります」という事が言える状態になりました。

ここで一揆起こします。

Q.グンマー★一揆でやりたいことは何ですか?

グンマー★一揆でやりたい事は、グンマーによる日本制圧です。
表向きではそう言っていますので、一応、決まり文句として、言っておきますね。

寄合はいつも真剣。日本制圧へ向けて。

本音を言いますと、僕10年間くらい東京に住んでいたのですが、群馬県民って絶対地元大好きなんですよね。
多分ですが、上毛カルタで地元愛を洗脳されてるせいだと思いますが、みんな上毛カルタの句を暗記してますもんね。
都内に住んでいて、僕はいつか大好きな地元にUターンしようと考えていましたが、一方で、都内には「地方移住」という言葉がありました。
なんで「地元」じゃなく「地方」なんだろう。。と、疑問に思っていました。
なんで「大好きな地元」に帰らないんだろうと。
地方移住希望者にそれを聞いてみると、そこまで地元に対して思い入れないんですよね。
地元には帰りたくないけど、都会よりも田舎に住みたい人が多いんだな、という事が分かりました。
一方で、群馬に帰ってきてから感じた違和感が、「田舎」や「農業」などのキーワードに対して、ネガティブな印象を持っているという事でした。
東京の人は、みんな田舎のライフスタイルに憧れていて、農業やっている人とかイケてる人として見られていたのに、群馬に帰ってきたら、若い人は農業をやりたがらないし、いわゆる都会が最先端だと思っていて、東京に対してどこか憧れとコンプレックスを抱いているというか。それが僕が感じた大きな違和感でした。
「おいみんな!ここは東京の人たちが憧れている場所だぞ!東京の人が憧れているライフスタイルを俺たちは送っているんだぞ!」
と、心の中で叫んでいましたね。
そんな中で、「グンマー」が数年前からWEB上でイジられていて、田舎モンとしてバカにされているので、逆に田舎モンを誇ってやろうと思いました。
それが僕の中の「一揆」の始まりですね。

やる気しかない。

神頼みも忘れない。

グンマー特有の田舎らしい世界観で、ここが日本の最先端だと分からしてやろうと。
そのためには県外から人が来るコンテンツが必要だと。
県外から人が訪れてグンマーを称賛し楽しんで帰ってくれたら、それが県内に住んでいる人にとっても誇りになるだろうと。
そんな目論見が、地域への「恩送り」としてフェスをやりたかった自分の中にある思考と交差して、「グンマー★一揆」を起こすしかない!という結論に至りました。
なので、端的に「グンマー★一揆でやりたいこと」を言うならば、「グンマーサイコー!」って県外の人に言わせたいし、それを見た県内の人たちに、「ほら!やっぱり俺らの地元はサイコーだんべ?」って言ってやりたい。

みんな、来てくれるんだんべ?

後半へ続く】

開催概要

【公演名】
グンマー★一揆(グンマーイッキ)
【日時】11月23日(金・祝)
OPEN 9:00/START 10:30/CLOSE 20:00
※雨天決行、荒天中止
【会場】群馬県立観音山ファミリーパーク
群馬県高崎市寺尾町1064-30
【主催】
グンマー★一揆実行委員会
【チケット】前売り券 3500円/駐車場付き前売り券 5500円/当日券 4000円/高校生以下無料
【出演】FLYING KIDS / OKAMOTO’S / FIRE BALL with HOME GROWN / 奇妙礼太郎 / 秀吉 / ぜんぶ君のせいだ。 / and more…
【アクセス】JR高崎駅東口より無料シャトルバスを運行。駐車場800台用意(要駐車場付きチケット)。駐輪場無料。
【Webサイト】
オフィシャルサイト:http://g-ikki.com/
twitter:https://twitter.com/gunmar_ikki
facebook:https://www.facebook.com/gunmar.ikki/
instagram:https://www.instagram.com/gunmar_ikki/
【チケット購入】
ローソンチケット:http://l-tike.com/order/?gLcode=74885

ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ファミリア・エンタテインメント 代表取締役 / Magic planning株式会社 執行役員。群馬県出身。立教大学卒。 2002年 株式会社日本経済広告社に入社。 2014年 独立後はプロポーズの瞬間を動画で残せるYES CAM®、ファッションサングラスnunettesのプロモーション、水かけ祭りWATERWARS、熱海のプール音楽フェス・EYELAND、群馬の音楽フェス・グンマー★一揆、新宿のONE EAST 東アジア文化祭りなどを主催・プロデュース。他、edc japanやS2O、Color Me Radなどの大型フェスに運営協力として携わる。