【精神科医×YouTuber】メンタルドクターSidowが発信する深いワケ。若手精神科医が描く医療の未来とは |

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今回は精神科医でありながらYouTuberとしても人気を誇る、
メンタルドクターSidowさんをご紹介します。

メンタルドクターSidow（@dr_sidow ‏）
東京都出身。精神科YouTuber

精神科YouTuber「メンタルドクターSidow」誕生秘話

ー悩んでる人の役に立てる、かつ精神科医のことも知ってもらえるようにユーチューブを始められたそうですね。
精神科や心理学などの医療系のトピックを、動画でわかりやすく発信しています。精神科は特に、若い患者さんが多いんですよね。例えば、幻覚や妄想の症状が出る統合失調症は、10代が一番発症しやすいとも言われています。ユーチューブを見ている若い世代にも、何か助けになるヒントが届けられたら嬉しいです。

ー精神科に対するマイナスのイメージを払拭したいともおっしゃっていましたね。
精神科にかかると薬漬けにされるとかよくネットに書いてありますし、医療界の中でも精神科は特殊なもののように思われることも多いんです。実際はそんなことなくて、必要以上に薬を出さないようにしていますし、目に見えないだけで体の病気と変わらないんですよ。でもそれが伝わってない現状が悔しくて。少しでも払拭できたらと思いますね。

精神科独特の診断基準。障害が場合によって障害でないことも

ー精神的な病気の診断は、なんだか難しいイメージがあります。
基本的な規範からどれくらい外れているかというのが、診断の重要なポイントになってきます。環境による影響も大きいので、例えば日本で適応障害だと診断されていても、海外で適応してしまえば、適応障害ではなくなるのです。

ーなるほど。その時の環境に応じた診断になってくるのですね。
そうなんです。落ち着きや集中力がないと言われる発達障害も最近有名ですが、言葉が一人歩きしているんですよね。その人が困っていなかったり、社会的に影響が少なかったら障害だとも言えないんです。

ー本人からすると「自分はダメだ」と思ったとしても、才能が活かせる環境にあればいいんですね。
そのように相対的なものもあるのですが、一方で先天的な部分も判断材料であるのが、精神科の診断の特徴的なところです。神経や脳の伝達物質の変化による障害もあったりするので、環境と科学の両方の視点が必要になってきます。

医療の現場に活きる、精神科YouTuberとしての視点

ー病院ではどんなことを考えて仕事をしていますか？
やってることに意味があるのかどうかを常に考えていますね。業務ひとつでも無駄なことがないようにしたいんです。無駄をなくして効率よく、何が患者さんにとってのベストなのかを追求して行動していたいですね。

ーSidow先生が考える、いまの病院の課題はなんですか？
ぶっちゃけ、精神科なんて誰もいきたくないと思うんですよ。行ってることも知られたくないですし、行くこと自体が躊躇されるので、オンライン診療の普及は必要だと思っています。

ー確かに、精神科とオンラインは親和性高そうですね。
他にも、機能していないお薬手帳や、診察のタイミングなど、システムで改善できそうなことは多くあるんですよね。あと極論、患者さんが医者を自分で選べるようになってもいいと思っています。

ー患者さんが医者を選ぶ…。とても面白い発想ですね。
精神科は特に相性が大事なところがあって。合わない先生にかかり続けないといけないって、辛いじゃないですか。病院はひとつのサービスでもあるので、患者さんも自由に選択できるようになったら、もっとよくなるんじゃないかなって。倫理問題とかいろんな障壁はありそうですけど（笑）