北海道で人気運動指導者がロボット×フィットネス事業に挑む深いわけ。あへあほ体操しものまさひろ氏

突然ですが、

「北海道生まれ、あへあほ体操!」

と聞いて、
まあ、自分がやる体操じゃないだろうな〜と思った人はいますか?

・・・・。

・・・・・・・・。

 

 

私でした。

大変恐れ多い話、トレーナーでもあるアシスト編集長とりっすー。

初めて「あへあほ体操」と聞いた時は、
こども向けの「よう◯い体操」の新しいバージョンなのかと勝手に想像していたほど。

次から次に溢れてくる「◯◯体操!◯◯式!」とかいうのは、もうええわ!って突っ込みたくなる捻くれた性格なもので、へ〜そういうのあるんだ〜ふ〜ん、くらいにしか思ってなかったんですよね。めちゃくちゃ偉そうにすみませんでした。

とりいそぎ、

今この記事を読んでいる方は全員、
「あーへーあーほー」と声に出してみてください。
そして「へ」と「ほ」の時にお腹を思いっきりへこませてください。

電車の中にいても、オフィスで仕事サボってる最中でも、道を歩いてる途中でも、
やってみましょう!!さあ!!!

編集長とりっすーから言いたいことは以上。

長い前座となりましたが、あへあほ体操考案者しものまさひろさんをご紹介します。


しものまさひろ氏
1979年生まれ、北海道札幌市出身。小中学校時代は野球に取り組み、高校で陸上競技部へ入部。故障などの影響から思うような結果が残せなかったものの、走ることが諦められず、持続走訓練隊を目指して高卒で陸上自衛隊に入隊。故障によって部隊を外れたことを機に、計5年の訓練期間を経てトレーナーの道を志す。その後、ドローインをベースとしたエクササイズプログラムを立案。ここに「あ・へ・あ・ほ」の発声を加え『あへあほ体操』を創り上げた。
【HP】http://shimo-tore.com/
【Twitter】https://twitter.com/aheaho
【毎日配信!Youtube】https://www.youtube.com/channel/UC7GxmQxXUPU8S359pRzFrRQ

なぜ「あへあほ」なのか

とりっすー
単刀直入にお聞きします。どうして「あへあほ」なのでしょうか?なぜもっとおしゃれな名前にしなかったのですか?
しものさん
(笑)
しものさん
もともとインナーマッスルを意識した運動プログラムを作っていたのですが、生徒さんから『家でやりたいと思った時、やり方を忘れてしまう』と言われたんです。1人で実施するのには、覚えやすいインパクトも必要だとアドバイスもあり「あへあほ」になりました。
とりっすー
確かに、一度やったら頭から離れない!わかりやすい!
しものさん
2007年に北海道を拠点に一人で「あへあほ体操」を始めて、もう10年以上経ちます。今は、認定インストラクター40名、あへあほ教室は100クラスを超えました。
とりっすー
10年やり続けるって、近年の体操ブームにはないパワーですよね。ブームで終わらせない秘密がたくさん隠れていそうです。

認定インストラクターの中には理学療法士・作業療法士・薬剤師・柔道整復師など国家資格を持ってる方も多いそうです。

あへあほ体操の講座にて

「テクノロジー×フィットネス」で高齢者の運動習慣を日常へ

とりっすー
「あへあほ体操」はご高齢の方に多く喜ばれているそうですね。
しものさん
北海道のテレビでレギュラー出演していたり、町役場で講演会をさせていただいたりする中で、講座を受けてくださって泣きながら喜んでくださる方もいらっしゃいました。
とりっすー
すごい、本当に大人気トレーナーですね!
しものさん
ありがたいお話です。そういったイベントで喜んでいただく一方で、お客さんの日常生活に入り込めていないことに、課題を感じていました。イベントが終わって「はい、あとは頑張ってね〜」っていうのは僕の自己満足だったんです。
とりっすー
しものさんの書籍やDVDもたくさんありますが、それでもまだ日常に入り込めてないと感じたのですか?

あへあほ体操の本も1万部を突破)

しものさん
確かにそういったツールも大切です。ですが、フィットネスがインフラのように整っていくには、人や物がその場にあることが必要だと感じました。そこでテクノロジーを使おうと思ったんです。
とりっすー
しものさんが札幌にいながらも北海道の田舎まで健康サポートしていくには、テクノロジーは大きな役割を果たしそうですね。
しものさん
北海道で人型ロボット「ペッパー」の開発認定を得ているIT企業と組んで、運動を教えるロボットの開発に至りました。

ロボットが運動を教える現場の、意外な声

とりっすー
でも、ロボットが運動を教えるって、実際の高齢者の方はどんな反応をされるんですか?抵抗はなかったんですか?
しものさん
実はご高齢の方々、ペッパーを「孫」のように可愛がってくださるんです。
とりっすー
めっちゃ意外です。
しものさん
あへあほロボットのペッパーは、たまに途中で止まったり、変なことを言い出したりするんですよ(笑)
とりっすー
なるほど、逆に愛嬌を感じるのかもしれないですね。孫みたいに何かしてあげたくなるような・・・。
しものさん
本当は脈拍を測ったり、医学の知識を入れたりして完璧なロボットを作ろうとしていたんです。でもご高齢の方は、この不完全さに親しみを感じていただいてるのでないかと思っています。
とりっすー
現場の声を聞き続けた結果生まれた、あへあほ体操とロボット事業なのですね。
しものさん
ロボット事業としては、一人暮らしのご高齢の方の日常にどう寄り添えるかを見極めていきたいです。最近は家庭用手のひらサイズのミニ型ロボットの開発もして、社会とテクノロジーを繋げていく方法を追求していきます。

あへあほ体操10年、未知なる挑戦は「いかにピュアで攻め続けるか」

とりっすー
もう10年以上あへあほ体操で、未知の世界に挑戦されていますが、なぜそんなにも一人で頑張れるんでしょうか?
しものさん
10年以上やってると家族や仲間など、守るものも増えてきました。でも何をするにしても、いかにピュアな自分で攻め続けられるかだと思うんです。
とりっすー
ピュアな自分とはどういうことですか?
しものさん
画家の岡本太郎さんが「4~5歳が熱中して描いた作品が一番感動を生む」と仰っていたのですが、私も小学5年生の自分の経験に支えてもらっているんです。
とりっすー
小学校5年生のしものさん、何があったんでしょうか。
しものさん
運動会の借り物競争でした。スタートした直後、紙に書いてある物がなんだかわからなかったんです。
とりっすー
なんて書いてあったんですか?
しものさん
「ジャンパー」です。「ジャンバー」だったらわかったのですが・・・。
とりっすー
確かに、いろんな言い方ありますよね(笑)
しものさん
ジャンパーが何かわからなかったんですが、とりあえずみんなと同じ、観客がいる方向に走ったんです。でもその一瞬のことでした。なぜかブレーキを踏んで別の観客がいる方へ方向転換したんです。無意識に。
とりっすー
観客が盛り上がりそうなシーンが想像つきます!
しものさん
そこで「ジャンパー」と書いてある紙を見せたんです。そしたら盛り上がった観客のひとりがジャンパーをかけてくれて、一位でゴールできたんです。みんなと違う選択をして、周りが盛り上がってヒーローになる・・・。こんなに熱中した人生っていいなと思いました。
とりっすー
なるほど、しものさんの今のスタンスはその小学5年生の経験が影響していたんですね。
しものさん
あへあほ体操をやってきて、笑われたこともたくさんありました。でも今後も、みんながやってるから自分もそうするのでなく、直感でワクワクするものをやっていきたいと思っています。
とりっすー
しものさんが最近始められたユーチューブ配信も、そういう意図があったのですね。
しものさん
私が小学5年生の自分に教えられているように、変化が問われる時代に生き抜くヒントは、若い世代が持っているんです。だから、若い世代に影響を受けて新しいものをどんどん取り入れていきます。
とりっすー
先輩世代にそう言われる日が来るとは、思ってもみなかったです・・・。
しものさん
トレーナーという職業は特に、年をとるとこだわりが強くなっていく傾向があります。だからこそ常識を疑って、破壊していきたいです。
とりっすー
あへあほ体操、そしてロボット事業に至るストーリーすべてに、しものさんのお人柄を感じました。あへあほ体操が世界に広がっていくのを、今後も楽しみにしています!ありがとうございました!

しものまさひろ氏
1979年生まれ、北海道札幌市出身。小中学校時代は野球に取り組み、高校で陸上競技部へ入部。故障などの影響から思うような結果が残せなかったものの、走ることが諦められず、持続走訓練隊を目指して高卒で陸上自衛隊に入隊。故障によって部隊を外れたことを機に、計5年の訓練期間を経てトレーナーの道を志す。その後、ドローインをベースとしたエクササイズプログラムを立案。ここに「あ・へ・あ・ほ」の発声を加え『あへあほ体操』を創り上げた。
【HP】http://shimo-tore.com/
【Twitter】https://twitter.com/aheaho
【毎日配信!Youtube】https://www.youtube.com/channel/UC7GxmQxXUPU8S359pRzFrRQ

ABOUTこの記事をかいた人

ASSIST編集長。早稲田大学商学部卒、競技エアロビックはじめダンス歴17年の経験を生かし4~90歳の運動指導に従事。女性のためのヘルシービューティをプロデュース。 2014年インターナショナルエアロビックチャンピオンシップ日本代表。 2015年学生エアロビック選手権優勝。 フィットネスウエアブランド「CLAP」ライダー。 複数のウェブメディアを立ち上げ13億円のメディア売却事業にも携わる。