「ライブ配信は究極の路上ライブ」日本トップ10位入り17ライバー川上実津紀。人気歌手はなぜライブ配信を選んだのか

みなさんは「ライバー」と呼ばれる人たちを知っていますか?

恐らくこの質問で世代がわかると言っても過言ではないほど、スマホ世代に親しみのあるワードの一つでしょう。
ライバーとは、ネットを使ってライブ配信を行う人たちのことを言います。

スマホからライブ配信を行って自分のファンを作り、コミュニケーションをとることで収入を得たり、自分の夢や目標を叶えるツールとして使う人たちが、近年急増してきました。
数あるライブ配信プラットフォームの中でも、アジアで注目を浴びてきたのが「17Live」と呼ばれるアプリです。

実際に「17Live」でライブ配信をしているライバーは、一体どのような人物なのでしょうか。

今回は人気ライバーの川上実津紀さん、ライバーマネージャーのなもぱんさんに、ライブ配信の魅力について語っていただきました。


川上実津紀さん(17ライバー)
大阪出身東京在住、2015年までソロプロジェクト「grram」として活動し、TVアニメ「名探偵コナン」のEDテーマソングにも抜擢。現在はフリーランスとして歌手、ラジオパーソナリティ、17ライバーとして都内を中心に活動。2019年1月には17Liveの月間世界ランク10位にランクイン。歌唱力とコミュニケーション力を生かし、多くのファンに愛されている。
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ライブ配信は自分らしく表現できる場所

とりっすー
いま話題のライブ配信ですが、川上さんはなぜライバーになろうと思ったんですか?
川上
いろんな自分が表現できるフィールドとして、楽しそうだと思ったんです。歌手として事務所に所属をしていた時は、常にかっこ良さを求めていました。でもライブ配信では、かっこいいところ明るいところ、ふざけてるようなことも、自分らしく表現できます。そこを魅力に感じて1年半続けてきました。
とりっすー
2019年1月には月間のライバー日本ランキングでトップ10に入られたそうで、まさに大人気ライバーですね。普段はどんな配信をされていますか?
川上
音楽ライバーとして「交流型ラジオ」というテーマで配信をしています。ラジオパーソナリティをしている経験もあって、コミュニケーションを挟みつつ歌を歌っています。家事や運転をしながらでも、気軽に聞いていただいてる方も多く、ファンの方との心の距離が近いのはとても嬉しいです。
とりっすー
まさにリアルタイムでのコミュニケーションですね。
川上
旅行や出張中、どこにいても仕事ができるのも魅力のひとつです。先日はホノルルから配信をして、お土産をファンの方にプレゼントする企画なども行いました。
とりっすー
めっちゃ楽しそう!自分のライフスタイルが仕事になるって素敵ですね。
川上
ミュージシャンって、音楽をするためにアルバイトをして生計を立てるのが多いと思うんです。でもこうして自分の歌やトークのパフォーマンスを高めながら、対価を得られるライブ配信は、今の時代に合っていると思います。

ライバーってどれだけ稼げるの?

とりっすー
ぶっちゃけたお話、ライブ配信はそんなに収入が入るものなのでしょうか?
なもぱん
そこは川上さんのイメージを守るために、マネージャーの私が代わりにお答えしますね!(笑)


なもぱん さん(ライバーマネージャー・プロデューサー)
ライバーの憧れであるミリオンライバー(100万以上の売上を生み出すライバー)を10人以上輩出し、現在ライバーマネジメントのプロフェッショナルとして活動。
Twitter

とりっすー
なもぱんさん!お願いします!
なもぱん
川上さんのように、月に1000万ポイントを取得できる人気ライバーは「ビリオンライバー」と言われています。この「ビリオンライバー」クラスだと月に、女性の平均年収に近いくらいの収入がある計算です。いまは全ライバーの中でも0.1%しかいません。ちなみに月に100万ポイント取得できる「ミリオンライバー」も全体の1%ほどですが、一般的な基本給以上の収入が入るそうです。
とりっすー
想像以上にしっかりした金額ですね。でもそういった人気ライバーになれるのは、有名人やアイドルだからではないんですか?
なもぱん
実はこれがライブ配信の面白いところなんです。ライバーはプロでなく、素人の方が爆発力があるんですよ。
とりっすー
めちゃくちゃ意外です!
川上
わずか1年半でこれだけ多くの方にファンになっていただけるというのは、芸能の世界で考えたら奇跡のような話なんです。ライブ配信だからこそ、それが実現できたと思っています。
なもぱん
さらに日本人は、一から応援して育てていくことに喜びを感じる国民性があるように思います。ただ有名人だからといってファンがつくのでなく、誰かを応援したい人たちが仲間やファミリーとして集まる場所になっていくんです。ライバーの夢に共感したリスナーが、ファンとなっていくような仕組みになっています。
とりっすー
なるほど、なんだかアイドルの総選挙を思い出しました。

人気ライバーが語る、ライブ配信は「究極の路上ライブ」

とりっすー
川上さんが一年半に及んで配信を続けてきた中で、大変だったことはありますか?
川上
いろいろ大変なことはあります(笑)
川上
ライブ配信はたしかに誰でも気軽にチャレンジできます。でも何時間も笑顔でしゃべって歌い続けるのはもちろん、毎日配信する時間を確保するのも、まったく楽なことではないです。
とりっすー
確かにそれは大変そうです。
川上
スマホの画面上だけの関係性だからこそ、ファンの方もシビアな印象です。例えば3日間配信をしなかったら、それだけで離れてしまう人も多いです。毎日できるだけリスナーの方と接触することが、固定ファンになっていただく手段になってきます。
とりっすー
3日間!入れ替わりが早いですね!
川上
リスナーの方も色んな価値観の方がいらっしゃいますし、私への要望も異なってきます。リアルタイムのコミュケーションだからこそ、それに対応し続けなければならないのは、体力も精神力も必要です。だからこそライブ配信は、全国に向けて「究極の路上ライブ」をしている感覚でいます。
とりっすー
どんな状況も味方にできる対応力、飽きさせない工夫、トークや歌の技術、ファンの方とのコミュニケーション、営業活動・・・。まさに路上ライブですね。やはり何事も突き抜ける方は、それに見合う努力をしてらっしゃるんですね。

ライブ配信が今後注目される真の理由

なもぱん
ファンからのギフトがライバーのモチベーションになるのは事実ですが、私はこのライブ配信市場自体に、大きな可能性を感じているんです。
とりっすー
詳しくお聞かせください。
なもぱん
実は「17Live」はグローバルアプリとしてアジアでトップのダウンロード数です。2017年12月時点で世界4千万人以上の登録者数がいて、その他にも続々と色んなライブ配信アプリが出てきています。5Gの時代でますます盛り上がる市場だと注目されているんです。
とりっすー
「17Live」は世界的に人気のアプリだったんですね。知らなかったです。
なもぱん
さらに可能性を感じるのはソフトの部分です。夢がある人とそれを応援するファンはいつの時代もいて、今まではテレビや雑誌というマス媒体がコミュニケーションの手段でした。もちろんそれは一握りの人にしかスポットライトが当たらず、そこにまだ入れていない夢を持った人も多くいます。そういう人たちは路上ライブなどで「自分の未来の為の発信」はしているのですが、実生活では川上さんの言うように、アルバイトで生活をする人が多かったと思います。
とりっすー
競争の激しい世界だとお察しします。
なもぱん
それが、ライブ配信アプリが出てきて個人の可能性がグッと上がりました。今まで、路上ライブで生活をしていくのは厳しいことだったと思うんです。でもライブ配信だと、見てくれる数が違います。ファン自身も路上で見て楽しむだけではなく、ライブ配信空間で同じ時間の共有ができて、コミュニケーションも取れるんです。とても恵まれた機会だと思っています。
とりっすー
確かに、推しメンと気軽にやりとりできるだなんて夢にも思わないです。
なもぱん
いまは誰もがSNSや動画を通して、応援したい人を近くに感じることができます。さらに動画でコミュニケーションが取れるだなんて、どんなSNSプラットフォームよりも近い距離感だと思うんです。エンターテイメントのあり方が変わっていく今の時代、ライブ配信こそ最先端のコミュニケーションツールになっていくんじゃないかと想像しています。
とりっすー
時代の流れにもピッタリの市場ですね。なんだかワクワクしてきました。

バーチャルとリアルの垣根を超えたライバーに

とりっすー
川上さんはこれからライバーを目指す人がいたら、どのようにアドバイスをされますか?
川上
私も普段から、自分の目標や思いを伝えながら配信することを意識しています。でももっと大事なのは配信時間を確保したり、リスナーの方とコミュニケーションを取って成績を伸ばすことだと思うのです。これらはその人の努力次第です。まずはとにかく続けることですね。
とりっすー
ライブ配信は続けることが成果に結びつきやすいので、大変なことも多いでしょうがモチベーションも上がりそうですね。
川上
努力が報われるライブ配信は、今後は芸能の世界も超えていけると思っています。芸能のプロが発掘できない人材をリスナーが発掘する可能性も、これから一層出てくるのはないでしょうか。チャンスは無限に広がっています。
とりっすー
芸能とはまた違ったスターがどんどん生まれて、エンタメ市場が盛り上がっていきそうな雰囲気ですね。今後、川上さんはどのようなライバーになっていきたいですか?
川上
今後はライブ配信というバーチャルな空間でのファンの方々と、リアルのライブでひとつになっていきたいと思っています。バーチャルとリアルを融合していくにはまだまだアップデートが必要なので、これからも頑張っていきたいです。
とりっすー
なんだかライバーになってみるのも、夢があって楽しそうですね。川上さん・なもぱんさん、ありがとうございました。今後のご活躍も楽しみにしています。


右:川上実津紀さん(17ライバー)
大阪出身東京在住、2015年までソロプロジェクト「grram」として活動し、TVアニメ「名探偵コナン」のEDテーマソングにも抜擢。
現在はフリーランスとして歌手、ラジオパーソナリティ、17ライバーとして都内を中心に活動。2019年1月には17Liveの月間世界ランク10位にランクイン。歌唱力とコミュニケーション力を生かし、多くのファンに愛されている。Twitter

左:なもぱんさん(ライバーマネージャー・プロデューサー)
ライバーの憧れであるミリオンライバー(100万以上の売上を生み出すライバー)を10人以上輩出し、現在ライバーマネジメントのプロフェッショナルとして活動。Twitter

ABOUTこの記事をかいた人

ASSIST編集長。早稲田大学商学部卒、競技エアロビックはじめダンス歴17年の経験を生かし4~90歳の運動指導に従事。女性のためのヘルシービューティをプロデュース。 2014年インターナショナルエアロビックチャンピオンシップ日本代表。 2015年学生エアロビック選手権優勝。 フィットネスウエアブランド「CLAP」ライダー。 複数のウェブメディアを立ち上げ13億円のメディア売却事業にも携わる。