世界トップ9プロゲーマーの伴走者、注目の”スマブラコーチ”カイトさんが描くゲーム×キャリア

2つ上の兄の影響で、幼い頃から兄とその友人たちに混じって遊んでいたテレビゲーム。

スポーツをして遊ぶと「女の子だから」とハンデを多くもらうこともありましたが、テレビゲームの世界では皆平等。自分のお気に入りのキャラで夢中になって戦っていたのを、覚えています。
「大乱闘スマッシュブラザーズ」はまさに家庭で人気のゲームのひとつですが、e-sportsとしても世界で人気を誇るゲームだと聞きます。

今回は大乱闘スマッシュブラザーズのコーチとして活動する「スマブラコーチ」ことカイトさん(@anjerokaito)に話をお伺いしました。

会社員をしながらスマブラの選手として活躍された経験もありつつ、
現在はフリーランスでスマブラのコーチをされているカイトさん。世界ランク9位のaMSa選手の専属コーチをしつつ、YouTubeなどの情報発信を通して未来のスマブラ選手の育成にも励まれています。

e-sportsの世界で活躍するカイトさんは、どのようなキャリアを見据えていらっしゃるのでしょうか。

「なぜスマブラなのか」スマブラのコーチになったきっかけ

とりす
スマブラの選手としても活動されていたそうですが、スマブラを極めようと思ったきっかけは何ですか?
カイト
元々は「地元でスマブラが強い人」という感じだったんです。友達の中で強くて、他でも戦ったらやっぱり強くてみたいな(笑)地元では負けなしだったのですが、ネットを利用して一歩外の世界に出た途端、ボコボコにされたんです。
とりす
それで闘争心に火がついたと。スマブラを極める毎日ってどんなスケジュールなんですか?カイトさんは会社員でもあったそうですよね?
カイト
仕事帰りに毎日スマブラをするような20代を過ごしていました。当時は発信活動もしておらず、会社の誰にも言ってなかったんですよね。会社員を辞めるタイミングで仲の良かった同僚に伝えたのですが、その人の近しい人が自分のことを知っていたりして、不思議な感じでした。
とりす
それはすごい!隠れてやっていたこともかっこいいですね。ご活躍ぶりからもスマブラ好きな人にとって圧倒的ヒーローのような存在なのが伝わります。プロゲーマーとコーチはどう違うのですか?
カイト
よく間違われるのですが、自分はプロゲーマーとしての活動はそんなにしていないんですよね。スマブラでたくさんの収入があった訳ではないですし、プロゲーマーとは競技者であり、生計が立ててる人のことをいうと自分は思ってます。
とりす
なるほど、「コーチ」というのは初めて聞きました。まるでアスリートの世界と同じですね。
カイト
自分が試合にも出ていて、出会ったのが今専属コーチをしているaMSa選手(@aMSaRedyoshi)でした。彼の攻めはとても強いのですが、逆にもう少し防御や戦略の部分を強化できたらと思っていたんです。聞かれてアドバイスをしていくうちに「コーチになってほしい」と依頼を受けて、コーチになりました。

世界トップランク9位 aMSa選手の専属コーチ

とりす
いきなりコーチになったとしても、自分がプレイヤーでいるのとは感覚が違うと思うのですが、その辺の不安はなかったんですか?
カイト
不安はなかったです。自分はaMSa選手と全く逆のプレイスタイルだったので、彼の弱点克服とスキルアップに役立つ自信はありました。ただ、依頼されてすぐには返事ができなかったんですよね。
とりす
それはなぜですか?
カイト
自分はもともとスマブラで稼ぐつもりがなかったんです。コーチとなると対価が関わるものなので、簡単には引き受けられませんでした。自分が好きでやっているスマブラですが中途半端にやるのも嫌ですし、最初は一緒にチームとしてやるのはありかなと思っていたくらいです。
とりす
なるほど、aMSa選手は以前別のインタビュー記事で「カイトさんの指導がクリティカルヒットした」と表現されてましたね。
カイト
コーチとしては、aMSa選手の世界ランキングが22位から9位になって、自分もようやくコーチとして自信がつきました。一緒に海外の大会にも帯同することもあって、その際にコーチである自分にもスポンサーをつけていただいたりもしました。コーチにまでスポンサーがつくのは、スマブラの世界では珍しい例だったので意識も上がります。
とりす
素晴らしいですね…スキル面でなく、aMSa選手のコンディション管理にも気を配ってらっしゃるそうですが、そういったマインドの意識は自分の経験値から来るものは多いですか?
カイト
それもありますね。練習では対戦相手や本人の癖を見抜いて、認知させるような細かい指導をしていますが、大会前はポジティブに試合にのぞめるように後押しします。

フリーランスになり情報発信を。マイナーから一般層向けへ

とりす
フリーランスのスマブラコーチとして独立されて、一年が経過したそうですね。独立されたきっかけは、コーチ業以外になにかあったんですか?
カイト
会社員を続けていると、昇格して責任が大きくなるのもあって「このまま一生、会社員をやめられないかもしれない」と思ったんですよね。コーチ業をはじめ他の収入源もあったので、一度はそういう道に行ってもいいかなと決断しました。
とりす
フリーランスになってから情報発信等に力を入れられたそうですが、わずか一年足らずで圧倒的な注目を浴びてますよね。Twitterは約8000人フォロワー数が増え、YouTubeは0から1.7万人の登録者数…この成長率は滅多に聞いたことがないです(笑)
カイト
YouTubeに関してはフリーランスになって自由な時間が増えて、YouTubeをやってるゲーム仲間との交流しはじめたことがきっかけなんです。その人たちの動画に出ていたら想像以上に反響があがって「カイトさんもやってほしい」という声をいただいて、3日で機材を揃えてYouTubeをはじめました。
とりす
すごい行動力!
カイト
元々がトップ選手へのコーチをしていたのもあって、一般層向けに発信するには、いかにわかりやすくするかが大事なんだと日々感じています。
とりす
YouTubeではどのような運用をしているのですか?
カイト
基本的にはみなさんと同じで配信をしたり、動画投稿投稿したりですね。頻度はそこまで高くないのですが、見てくれる人がためになるようなクオリティを意識してます。あとYouTubeメンバーシップというものがありまして、有料会員になった人向けに限定配信や個別レクチャーをしたりしてます。元々メンバーさんにレクチャーをしたりすることがやりたくてYouTubeはじめたのもあるんですよね。スマブラのオンライン対戦では対戦実績によってランクが決まってくるのですが、「カイトさんの動画のおかげでランクが上がりました」と報告をもらえるのは嬉しいです。

スマブラコーチはどんなキャリアを描くのか

とりす
フリーランスになって数年は波があったりすると思うのですが、カイトさんはやはり元々の実績と影響力が伴っている印象です。今後の働き方はどのように考えてますか?
カイト
実はこのままフリーランスとして活動を続けるのも、少し考えることがあって(笑)会社員生活が長かったので、自分で全てをコントロールするのは想像以上に難しいと思いました。ある程度制約やルールが決められた中で、ゲームに向き合ってもいいんじゃないかなって。
とりす
意外な答えでした。発信を続けていくにも、常に情報をとりにいかないといけないですしね。
カイト
それこそゲーム業界って本当に流れが早くて。とある大会で優勝した次の日には、違う優勝者が生まれてたりしますし、自分の専門のゲームがアップデートするのも多々ありますし、そもそも廃盤になったら勝負ができなくなってしまう世界なんです。だからこそコミットするなら、それなりのエネルギーも必要でリスクも伴います。
とりす
確かに、たとえフリーランスであっても業界の変化をキャッチアップしていくのは労力のいることですよね。
カイト
そうなんです。e-sports業界も正直どうなるかわかりませんし、自分もスマブラに依存して生きているので、また会社員をやりながら副業として輝かせるのもありだと思っています。よく揶揄される満員電車の通勤も、自分は「そこに揉まれてからこその楽しみがある」と思えるタイプなんですよ(笑)
とりす
めちゃくちゃ柔軟な考え方だ…最後に、今後スマブラでプロゲーマーを目指す方に伝えたいことはありますか?
カイト
「なんでプロゲーマーになりたいのか」「自分はどうしていきたいのか」を深掘りしてもらいたいと思っています。確かに派手な世界の印象はありますが、業界そして職業としてのリスクがあることも事実です。それを知った上で自分がどうしていきたいかを考えることが大切だと思います。


カイトさん(@anjerokaito
「スマブラコーチ」として世界ランク9位のaMSa選手の専属コーチとして活躍。
YouTube登録者数は1年間で1.7万人。選手から一般層までのスマブラ愛好者のコーチを務める。

 

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ASSIST編集長

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