20代女子のキャリアと結婚のリアル・株式会社大樹レーシングクラブ取締役 荻野史帆さん「やりたいことを全部やる生き方」

20代の女子が集まると、必ずと言っていいほど話題になるのが「キャリア・結婚」の話。

好きな人や恋人との関係性、周りの結婚の吉報、仕事、自分の将来…….。
20代という時期の大切さを無意識に感じているからこそ、悩みは十人十色なのではないでしょうか。
そんななか、会社の経営陣のひとりでありながら20代で結婚し、1歳半のお子様をもつ荻野史帆さんに出会いました。

「やりたいことは全部やる」とおっしゃる荻野さんに、20代の働く女子のリアルなキャリア選択について伺いました。


荻野 史帆さん(株式会社大樹レーシングクラブ取締役)

1児の母。三重県出身、北海道浦河町育ち。札幌聖心女学院にて寄宿生活を送り、自ら環境を変えるために都内の私立高校へ転校。杉野服飾大学を卒業し、母親が代表取締役をしている株式会社大樹レーシングクラブの取締役として経理からコンプライアンスの担当まで幅広く行なっている。別事業としてジビエの卸売にてプロジェクトリーダーを務める。

株式会社 大樹レーシングクラブ

大樹の浜鹿

生後6ヶ月で仕事復帰へ。仕事・家事のワンオペはどうやって?

とりっすー
バリバリのキャリアウーマンでもあり、1歳半のお子様もいらっしゃる荻野さんは、どんな毎日を過ごしているんですか?
荻野さん
朝6:30に起きて保育園へ送ってから、出社しています。仕事の帰り道で夕食のオペレーションをリハーサルしながら、お迎えに行っていますね。食事を30分以内で作って、こどもを寝かせて家事をして、仕事が終わらないときは持ち帰って夜にやることも多いです。
とりっすー
すごい…..。想像以上にハードですね。
荻野さん
うちは夫の出張も多いので、子育ても家事も基本的に一人です。シッターさんもいるのですが、できる限りは自分で行なっています。
とりっすー
仕事では取締役として経理からコンプライアンスの担当まで幅広く担当されているとお聞きしていますが、会社の要の部署なんですね。仕事と子育てのバランスは、どうやっているのでしょうか?
荻野さん
出社するだけでもヘトヘトなことはあるのですが、机に座ると不思議とスイッチが入るんです。目の前の仕事に集中して、こどもといる時はこどもとの時間を大切にしています。
とりっすー
なるほど、忙しいからこそうまく切り替えてらっしゃるんですね。お子様が生まれてからお仕事の復帰はいつされたんですか?
荻野さん
こどもが生後6ヶ月のときに復帰しました。育休中だったので東京でこどもとのんびり暮らしていたんです。すると自分の言葉が、どんどん赤ちゃん言葉になってきて…….そろそろ社会と接点を持とうかなと思っていたタイミングでした。急遽、人が足りないと連絡が来て、北海道に呼ばれたんです。
とりっすー
え?生後6ヶ月って、授乳や夜泣きでとても大変な時期ですよね?
荻野さん
そうなんです。その時は史上最強に忙しかったですね。3時間おきにミルクをあげに家に帰って、経理の仕事をこなしていました。数百人分の情報を扱って資料作って、ミスも許されない世界で……。
とりっすー
すごすぎる……。
荻野さん
睡眠は2時間あればホッとしていました。近くにいた父親が手伝ってくれたことが救いでしたね。

お子さんを連れて牧場や競馬場にいくことも多いそうです。

とりっすー
気が狂いそうなほど大変だと言われている時期の子育てと、よりによって大変な仕事のタイミング……..よく荻野さんご自身がつぶれなかったですね。
荻野さん
もはや狂気的な日々でしたね(笑)よく「こどもの顔をみると笑顔になる」っていうじゃないですか。本当に限界の時って、そんなの無理なんですよ。「こどものために笑わなければ」と思っていました。
とりっすー
もうなんか、母親ってすごいって言葉しか出てこないです。
荻野さん
北海道から東京に経理部門を持っていくつもりだったので、東京都に保育園申請していたのですが、待機児童だったんです。私が急に忙しくなったのも、待機児童になってしまった状況も、こどもは何も悪くないじゃないですか。だからこそ言い訳はしたくないし、どれも妥協せずに全部やると決めていました。目の前のことを乗り超えたら見える世界が少し変わって、人として母として成長できる機会にしたいと思っていました。
とりっすー
どうしてそんなに頑張れたんですか?
荻野さん
「こどもを育てられるのは、自分しかいない」っていう責任感です。やらざるを得ない状況だったから、やり切れたんだと思います。もうこれから何があっても乗り越えられそうな気がしています(笑)

緻密なキャリア形成で「やりたいことを全部やる」

荻野さん
私は20代後半で結婚・出産をしていますが、周りで仕事をしながら出産する女性は33~36歳くらいが多いんですよ。
とりっすー
そうなのですね!もっと若い方が多い印象でした。荻野さんの年代のケースは珍しいんですね。
荻野さん
地方では20代で結婚・出産をしていくイメージですが、キャリアウーマンが多い都会では、30歳を過ぎてからの人が大半なんです。ずっと仕事をしていくことを前提で人生を考えているので、こどもを保育園に入れて最短で仕事復帰ができるタイミングまで考えて授かる方もいらっしゃいます。
とりっすー
保育園の入園から逆算して授かる……そこまで考えたことなかったです。
荻野さん
保育園の争奪戦もありますからね。出産のタイミングと入園の時期がうまく噛み合わなかったら自分の仕事復帰も遅くなるので、理想のキャリアを歩めないんです。
とりっすー
なるほど。でもどうして、そこまで仕事を頑張ろうと思えるんでしょうか。結婚して専業主婦になろうだなんて、やはり甘い考えでしょうか?(涙)
荻野さん
都会でこどもを育てていきたいなら、ちゃんと仕事をしないと厳しいと思います(笑)キャリアウーマンで子育てされてる方は、子育ての責任感と同様に、仕事への責任感も強いです。もちろん計画通りに進めることは簡単ではないでしょうが、すべてを実現できる人は知恵と労力を使っていますね。
とりっすー
なるほど。仕事も結婚・出産も全部やりたかったら、細かくプランニングしていくことも一つの手段なのですね。想像以上にリアルな世界だと思いました。

仕事と結婚、タイミングはどう決めればいいのか

とりっすー
荻野さんはどうしてご結婚されたんですか?仕事に熱中できる時期に、結婚に踏み切った理由をお聞きしたいです。
荻野さん
周りが計画的にキャリアや結婚を考えているのに対して、私は自然な流れで結婚しました。私の出張で、お付き合いしていた彼と遠距離になってしまったので、離れる前に結婚する約束をしたんです。まさか自分が結婚するだなんて思ってもなかったのですが、直感に従いました。
とりっすー
なるほど、結婚はタイミングが大事って言いますもんね。お子様がいる時といない時では、ライフスタイルにはどんな変化がありましたか?
荻野さん
まずは生活のメリハリが変わりました。こどもがいることで栄養のあるご飯を作って、規則正しい生活をするようになったのは非常にいいことですね。ママ友もできると人付き合いも、遊びにいく場所も変わります。もちろん仕事は忙しいですが、公私ともに楽しみが増えています。
とりっすー
子育てと仕事の両立はひたすらハードなイメージでしたが、どんどん人生が豊かになっていくのが伝わってきます。
荻野さん
豊かさは人生を考える上でのキーワードでもありますね。いろんなタイプの相談を受けるのですが、「キャリアに迷ったら【人生が豊かになる方】、結婚・出産に迷ったら【その人とのこどもが欲しいかどうか】で考える」といいと思っています。
とりっすー
というと?
荻野さん
キャリアに関しては、気持ち次第でいつになってもチャレンジできると思うんですよ。60歳で女性プログラマーになった方もいらっしゃるくらいです。だったら、キャリアのための人生じゃなくて、人生を豊かにするためのキャリアを選んだ方がいい流れが来ると思っています。
とりっすー
確かにキャリアと豊かさは密接ですし、仕事はこどもを産んでからでもチャレンジできますよね。
荻野さん
そうなんです。でもこどもを授かるのだけは、リミットが決まっています。だからこそ、こどもが欲しかったら、早めに行動するのはありだと思うんです。気負いすぎずに早く産んでまた仕事すればいいんです。
とりっすー
なんだかシンプルに思えてきました。結婚に踏み切れない人も多いと思うのですが、それはなぜだと思いますか?
荻野さん
「同棲してから」「もう少し様子をみてから」と、決断するのに保険をかけている印象です。そう迷っている間に、タイミングを逃してしまう人を多く見てきました。もちろん結婚となると、その人の家族まで愛せるかどうかも大事です。そこもクリアしてその人とのこどもが欲しいって思ったら、迷わず結婚すればいいのになって思います。
とりっすー
全国の結婚に踏み切れないカップルに聞かせてあげたいです(笑)
荻野さん
じぶんに自信がないと、キャリアも結婚も判断することが難しいと思います。多少の劣等感があったとしても、「あの子はじぶんとは違う」って周りに影響されない軸はあったほうがいいですね。
とりっすー
荻野さんが「やりたいことは全部やる」というスタンスになったのはなぜでしょうか?
荻野さん
両親から「いいと思うならやりなさい」と言われて育ってきたのは大きいです。悔いのないよう直感にしたがって、日々を過ごす意識は強いと思います。
とりっすー
なるほど、背中を押し続けられると行動にも躊躇しなくなりそうですね。
荻野さん
人生一度きりなので、今後も楽しいことをやっていきたいですね。自然が好きなので、将来はそのような世界観を共有できる場所を作っていくのも目標にしています。ジビエの立ち飲み屋とか最高ですね(笑)
とりっすー
楽しそう!また近い将来、今とは違った働き方になってるかもしれませんね。今後のご活躍も楽しみにしております!ありがとうございました!


荻野 史帆さん(株式会社大樹レーシングクラブ取締役)

1児の母。三重県出身、北海道浦河町育ち。札幌聖心女学院にて寄宿生活を送り、自ら環境を変えるために都内の公立高校へ転校。杉野服飾大学を卒業し、母親が代表取締役をしている株式会社大樹レーシングクラブの取締役として経理からコンプライアンスの担当まで幅広く行なっている。別事業としてジビエの卸売にてプロジェクトリーダーを務める。

株式会社 大樹レーシングクラブ

大樹の浜鹿

ABOUTこの記事をかいた人

ASSIST編集長。早稲田大学商学部卒、競技エアロビックはじめダンス歴17年の経験を生かし4~90歳の運動指導に従事。女性のためのヘルシービューティをプロデュース。 2014年インターナショナルエアロビックチャンピオンシップ日本代表。 2015年学生エアロビック選手権優勝。 フィットネスウエアブランド「CLAP」ライダー。 複数のウェブメディアを立ち上げ13億円のメディア売却事業にも携わる。