「3億の債務超過でも前を向いてました」発明家・佐々木氏が超えていく技術系ベンチャーの高い壁。

20数年前に口コミだけで3万5千台数を売り、その効果から「人類を救う装置だ」とまでいわれた健康器具があるといいます。生涯で1000件以上の発明をされてきた故・政木和三博士が作られた「神経波磁力線発生器」です。

「神経波磁力線発生器」は多くの方を健康に導いたものの、薬事法の下で販売中止に追い込まれてしまいました。評判は良かったにも関わらず、販売中止に追いやられたことを惜しむ声と、その確かな実績を糧に、同じ機器を開発して認可を取ろうと動いたのが佐々木耕司氏です。

発明家として政木氏の思いを受け継ぎ、事業家として世の中に貢献していく佐々木氏が乗り越えてきた、発明家の壁とは。


株式会社セルパワー代表取締役 佐々木耕司(ささき・こうじ)氏
1963年広島県生まれ。1989年京都大学工学部卒業後、情報通信関連ベンチャーを創業。1991年に携帯電話用の直感的情報検索機能サービスを軸に事業展開。韓国発の携帯メーカーの世界最大手サムスン電子にも採用される。株式会社ジェイデータ、T.N.Gテクノロジーズ株式会社を設立し、2014年に株式会社セルパワーの代表取締役となる。

HP:https://www.cellpower.jp/

体に当てるだけで健康に「セルパワー」とは


人間の体の電気信号と同調した強力なパルス磁気で、体の水の状態を変化させる装置。細胞に栄養が行き渡るようになり、磁気を60分当てた水の波動を測定すると、理想的な状態の水に変化することが確認されました。
医学的根拠は不明ですが、セルパワーを1日30分~1時間、体に当てたことでアトピーや発疹、腎臓病や認知の改善がみられたなどの意見が数多く寄せられているそう。

20数年前の「人類を救う装置」を復活、その反響は。

とりす
政木博士が発案された「神経波磁力線発生器」を復活させようと、改めて開発されたそうですね。佐々木先生にとって政木博士の存在は、大きかったんですか?
佐々木
とても偉大な発明家の方で、これまでに電気炊飯器や瞬間湯沸かし器など、いまや私たちの日常に溢れているものを生み出されました。しかしながら、彼は特許料を一切受け取ってなかったんですよ。その利益を合計すると、数千億円にのぼると言われていました。
とりす
お金のためでなく、社会のために発明を使って欲しいという思いがあったのですね。
佐々木
そうですね。私の祖父も発明家で、発明家は特許で稼ぐ仕事だと思っていたんです。政木博士は次元が違う発明家だと思いました。
とりす
一度、薬事法で販売停止に追い込まれた商品を復活させるにも、また同じ壁にぶつかってしまうのではと思うのですが、その点は勝算があったのでしょうか?
佐々木
正直、なかったです。法律を調べるほど薬機法は厳しく、販売することが難しいんだと思いました。それでもいいものを届けたいと思って、まずは試作品を作ったんです。当時の部品は使えないものも多く、磁力を忠実に再現するのも簡単ではなかったのですが、当時の開発者と一緒に再現することができました。開発後に波動測定で性能比較をしたところ、神経波磁力線発生器と全く同じ性能を有することも確認出来ました。
とりす
試作品の反響はどうでしたか?
佐々木
やはり、とても良かったんです。なんとかして販売したいという思いが一層強くなりました。そこで法律のことを勉強したところ「医療機器」としての販売は難しいけれど「健康機器」としての販売であれば可能だということが分かったのです。

【医療機器】として販売するのであれば約10億円の費用と3年以上の月日が必要なんですよ。 それでも通るかどうかわからないんです。

とりす
なるほど、医療機器でなく健康機器として発売することは率直にどんな気持ちでしたか?
佐々木
最初は微妙だなと思いました。ですが、より多くの方にこの器具を知ってもらって、健康に導けるのなら手段を選んでる暇はないと思ったのです。

効果効能が示せない制約のなか、口コミで広がるセルパワーの実力

とりす
ホームページにセルパワーの効果や効能が書かれていないのは、薬機法のことを考えてのことだったのですね。
佐々木
おっしゃる通りです。せめてお客様から寄せられた声だけでも載せることを考えましたが、リスクを考えて載せることをやめました。
とりす
口コミを聞いた方が調べて購入されているんですね。月額8,800円でお試しできるのは、ハードルが低くて使ってみたいと思えますね。


セルパワーは3タイプ用意されています。

佐々木
ぜひ気軽に試していただけたらと思います。レンタルされた方のうち、実に7割以上の方々が、継続もしくは購入されているんです。
とりす
そんなにたくさんの方が!正直、ホームページを拝見しただけでは、どんな商品かわからなくて怪しそうに思ってしまったのですが…こういったお客様の声を見ると、こんなにも健康に導ける器具なんだなだと驚きます。

外部非公開のお客さまの喜びの声と、実際の検査データなどの資料。

「思いつくのは一瞬」技術系ベンチャーの大きな壁。

とりす
発明をするだけでなく売り方まで考えないといけないなんて、やることがとても多いですね…。
佐々木
発明というのは、思いつくのは一瞬なんです。もちろんこれまでの知識の積み重ねではあるんですが。発明をどう事業化するのかが、大きな課題です。私だけでなく、日本の多くの発明家の課題でもあります。
とりす
そういった思いから、技術系のベンチャーをサポートする事業もされていたんですか?
佐々木
そうですね。日本は発明家に非常に不都合な国なんです。例えば出資も、ベンチャーキャピタルによって数億までなら出資してもらえるのですが、技術系のベンチャーであれば数十億・数百億の規模でないと、足りないのです。
とりす
たしかに、研究や開発費がすごくかかりそうなイメージです。
佐々木
他にも、特許の取得費用だけでも結構な額が必要なんです。日本で特許を取得したとしても、その効力は国内だけで、海外ではまた別の特許を取らないといけないんですよ。特許権を複数国で取得するとなれば、2000万円前後かかってしまうんです。

日本の特許サイトには海外からのアクセスも非常に多く、日本でしか取得されてない特許を模倣しようとしている人たちもいるのだそう。

とりす
特許を取得するだけでもそんなにかかるなんて…。技術系ベンチャーをサポートする仕組み自体がなかったから、ビジネスの発展が難しかったんですね。
佐々木
株式会社ジェイデータを立ち上げた時に開発した、直感的検索機能のソフトをサムスン電子に独占契約してもらいました。海外での特許出願や交渉に多少なりとも経験があったので、日本の技術系ベンチャーが海外で活躍できるように、サポートしていました。

佐々木先生は、世界的に著名な方ともご縁がおありのようでした。

日本の技術系ベンチャーの海外進出をサポート

とりす
日本のベンチャー発のソフトを海外の会社に使ってもらうというのは、当時(1991年)では珍しかったのではないですか?
佐々木
契約を結ぶのにはとても苦労しました。サムスン電子は韓国の会社ですが、当時のサービスの機能は韓国語に対応してなかったんです。初めて韓国に行って話をしてから帰国した翌日くらいでしょうか、お風呂に入っていたら、韓国語にも対応できる機能をパッと思いついたんです。
とりす
発明ってそのような感じで生まれるんですね。
佐々木
(笑)
佐々木
それを伝えるのも、相手の各チームが納得しないと採用されなかったので不安でした。技術者のトップの方がうちの機能を理解して「これはいい」と推してくださったのが救いでしたね。
とりす
なるほど、これまでにない新しい機能を理解してもらうってハードルが高いですよね。
佐々木
みんな基本を変えたくないので、新しいものは受け入れられないんですよね。「わかってほしい」という気持ちはありますが、ユーザーの気持ちに寄り添った発明がいかにできるかだと思っているんです。
佐々木
それに、当時の私は「もう後がない」って思っていたんですよ。
とりす
というと?
佐々木
実は、株式会社ジェイデータで特許技術のソフトを作ったものの、3億の債務超過になってしまったんです。技術系ベンチャーにとっては莫大な金額でした。
とりす
なんと、そうだったのですね。
佐々木
社員の給料も払えなくなったので、自宅待機してもらいました。僕1人だけの会社になったんです。
とりす
そこからのサムスン電子の契約だったのですね。見事なV字回復…。
佐々木
もちろん嘘偽りなく事業をしていたのですが、真面目にやっていても、こんなことになるんですもん。事業って大変だなと思います。

3億円の債務超過でもポジティブに突き進めた理由

とりす
佐々木先生は健康器具のセルパワーのみでなく、Simple瞑想という瞑想機器も販売されていますね。こちらも政木先生の既存の製品のリメイクとのことですが、瞑想の分野に着目された理由を教えてください。
佐々木
セルパワー同様に、多くの方に健康になってもらって日本の医療費を削減する目的がありました。この機器の場合は、自分が普段から愛用していたので、多くの人の助けになると思ったんですよね。
とりす
10分聞くだけで1時間の瞑想効果ってすごい!左右から異なる周波数が出て、右脳左脳のバランスを整えてるんですね。
佐々木
3億円の債務超過の時も、僕は「不安で眠れない」ってことはなかったんですよね。起業家や経営者って不眠や鬱などの症状の方も多いじゃないですか。でも僕はそういったことがなく、メンタルはいつも安定していたんです。それはこれを聞いていたからだと思っています。
とりす
説得力の塊(笑)めちゃくちゃ興味湧きました。
佐々木
ぜひこのインタビューを執筆しながらも聴いてみてくださいね!
とりす
ありがとうございます!
佐々木
尊敬する政木先生も「すべては必然」と仰っていたので、困難も乗り越えられる壁だと思って踏ん張りました。これからもっと、セルパワーもSimple瞑想も多くの方に届けて、健康的な人たちを増やしていきます。

 

様々な健康グッズが溢れるなか、薬機法の問題でセルパワーの効果効能を伝えられないことを「ずっと奥歯に何かつまってる状態」だと話されていました。
いいものなのに簡単には伝わらない。そんなジレンマに歯痒い思いもしますが、まずは何事も否定せずに取り組んでみる気持ちが大切だなと感じたインタビューでした。
ちなみに私もSimple瞑想を使わせていただきましたが、睡眠の質が上がってリラックス効果を感じました!

佐々木先生、ありがとうございました!


株式会社セルパワー代表取締役 佐々木耕司(ささき・こうじ)氏
1963年広島県生まれ。1989年京都大学工学部卒業後、情報通信関連ベンチャーを創業。1991年に携帯電話用の直感的情報検索機能サービスを軸に事業展開。韓国発の携帯メーカーの世界最大手サムスン電子にも採用される。株式会社ジェイデータ、T.N.Gテクノロジーズ株式会社を設立し、2014年に株式会社セルパワーの代表取締役となる。

HP:https://www.cellpower.jp/

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