32歳で業界最大手へ。今一番熱い若きイノベーターの快進撃秘話【株式会社クレスト永井俊輔代表】

スティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツ、イーロン・マスク…
世界を変えたイノベーターたちは、どんな日々を送っていたのだろうか。
ほんの一ミリでもそういった人たちを追いかけたい気持ちがあるのならば、人生を余すことなくやるべきことがある。
「世界のために仕事をしていないのなら、生きている意味がない。」
そう言い切るのは、30代前半にしてサイン&ディスプレイ業界の最⼤⼿へと成長させた、株式会社クレストの永井俊輔代表取締役。
父親の会社に入社後4年で売上を3倍へと急成長させ、現在は複数の会社経営にも携わる永井代表の快進撃に迫ります。
(インタビューアー 編集長・鳥巣愛佳
株式会社クレスト代表取締役 永井俊輔氏
1986 年群⾺県⽣まれ早稲⽥⼤学卒。株式会社ジャフコで M&A やバイアウトに携わった後、⽗親が経営する株式会社クレストへ⼊社。CRM や MA を活⽤して 4 年間で売上を 2 倍に拡⼤させ、クレストをサイン&ディスプレイ業界の最⼤⼿に成⻑させた。2016 年より代表取締役社⻑に就任。ショーウィンドウやディスプレイを web 同様正しく効果検証するために、リアル店舗解析ツール・ESASY を開発するなど、リアル店舗とデータサイエンスの融合を⽬指す。

達成できなければ没収!?父親からの「レバレッジ教育」で培った達成力

ーM&Aとコンサルの会社で勤務を経験されてから、お父様の事業を継がれたそうなのですが、お父様とはどういったご関係でしたか?
永井代表:父はめちゃめちゃ厳しくてぶっ飛んでいましたね(笑)普通テストで100点とったらご褒美ってあるじゃないですか。僕の場合は、テストの前にご褒美もらうんです。しかもゲームもなんでも全種類。それで100点取れなかったら、全部没収されていました。
ーものすごく斬新ですね。
永井代表人って与えられるよりも、失うことの方がダメージ大きいんですよね。失いたくないので、目の前のものを必死に追うしかなくなります。これ、行動経済学のプロスペクト理論って言うんですよ。
ー覚えておきます!もともとサーファーとしても学生の頃に学生連盟選手権で4連覇されるなどご活躍されていたそうですが、そのストイックさと経営はどう結びついていますか?
永井代表:一人でやり遂げる力は人よりも強いと思っています。でも経営をする上では、自分と違うタイプの人達の才能も生かさないとスケールできないんですよ。

「自燃・可燃・不燃」人間のパターンからバランスを考える

永井代表:人間は3パターンに分けられると言われていまして、僕みたいに一人でも勝手に熱くなれる人は「自燃(自然燃焼)タイプ」なんですよね。他は受動的に燃える「可燃タイプ」、燃えない「不燃タイプ」となっています。もちろんそれぞれ優秀なのですが、異なる性質を持つメンバーとどうバランスをとって、それぞれのエンジンにどうやって火をつけさせるかが、経営者の手腕の見せ所だと思っています。
ー具体的には、どのようにバランスをとっているのでしょうか?
永井代表:自燃タイプの人には熱量だけではなく論理を極めて頂き、論理が強い不燃タイプには熱を与えていけるようにしています。マネジメントにおいても、トップが自燃タイプだから二番手に可燃タイプを置いておこう、不燃系は仕組みづくりや技術を生かしてもらおうとかですね。熱量だけでも会社は続きませんし、論理だけでも人はついてきません。

父親の会社に入社後、4年で売上3倍の秘話。


新卒で野村證券系(当時)の⽇本最⼤のベンチャーキャピタル・株式会社ジャフコに⼊社し、株式会社ジャフコで M&A やバイアウトに携わった永井代表。当時は朝は 5 時に家を出て、帰宅は深夜 2 時〜3 時は当たり前だったそう。
ーお父様からの誘いで株式会社クレストに転職されてからは、どのようなことがありましたか?
永井代表:入社した直後は業績が悪く、サイン&ディスプレイ事業を盛り⽴てなければクレストの業績にも響く状態でした。顧客はそのままでビジネスモデルも変えすぎずに、今あるリソースをどう生かしたら業績が上がるのかを必死に考えました。リーマンショックもあり、看板工事の事業は新規の依頼は見込めませんでしたね。

新規見込みがない中、テクノロジーの導入でトップシェアへ

ー新規の見込みがない中から、どのようにトップシェアまで駆け上がられたのですか?
永井代表:考え抜いた結果、顧客業種はこれまで通り小売事業者を維持することにしました。尚かつ新店が出店されないと作られることの無かった看板ではなく、定期的に変更されるリアル店舗のウィンドウディスプレイや店内広告物の施工事業に着手することになり、そこから新規の顧客は増えていきました。CRMやMAなどのテクノロジーを営業とマネジメントに生かして、看板やショーウィンドウのディスプレイなどのリアル店舗の内の広告の世界でトップシェアになりました。
※CRM:カスタマーリレーションシップマネジメントの略。顧客との継続的で良好な関係構築のためのツール
※MA:マーケティングオートメーションの略。マーケティング活動を自動化するためのツール
ー事業の見直しとテクノロジーの導入が、業績回復のポイントだったのですね。テクノロジーの導入についても詳細をお聞きしたいです。
永井代表:リアル店舗だけではなく、全てのリアルの世界の街頭の広告物やウインドウディスプレイの「価値の計測」がされていないことに対して大きな社会的課題感をずっと感じていました。サイン&ディスプレイ業ではトップシェアになった今、ショーウインドウディスプレイや店内広告前の交通量や視認量、年齢性別推定、入店量などのデータを集計し、POSと連動させてROIの計測と分析、改善提案を行うesasy(エサシ―)というプロダクトを開発をして一気に顧客に対して導入を進めています。
2014年に設立された「ドラミートウキョウ
シープスキンブーツの「UGG」や「TOMMY HILFIGER」など他のグローバルで展開する大手ブランドのウインドウや店内のディスプレイデザインを請け負う。クレストでビジネスを拡大しはじめた当初はクレストにデザイン機能が無く、また試行錯誤の結果、デザイン事業会社はクレストとは別法人として存在すべきであると意思決定をし、その上でデザインのプロ集団を集め法人化。永井代表本人がデザイナーではない中でデザイン会社を設立しスケールさせゆくという偉業を成し遂げる。
ー永井さんの前職のM&Aやバイアウトで培われた力を、お父様も必要とされていらっしゃったのかもしれないですね。
永井代表:当時は父親と一緒に会社を作ってきた、ITリテラシーの低い古株メンバーもいたので、いかに彼らにIT化への舵切りを納得してもらうかも重要でした。ITを導入させて組織構造を変化させていきましたが、導入後の小さな成功事例の積み重ねをメンバーに見せたりして、納得してもらえるように工夫していました。
ー入社していきなりの壁だったのですね。どのようなことを意識していましたか?
永井代表とにかく結果を出すことを意識しました。後から入社した僕が信頼してもらうのには結果が一番です。今もそうですが、そのためにも勉強はずっとしています。経験に勝るものは知識ですので、圧倒的な知識量で勝ちたいのです。
第2章は、永井代表のストイックかつ効率的な学びのノウハウにフォーカスします。

株式会社クレスト
株式会社ドラミートウキョウ

 

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ASSIST編集長。早稲田大学商学部卒、競技エアロビックはじめダンス歴17年の経験を生かし4~90歳の運動指導に従事。女性のためのヘルシービューティをプロデュース。 2014年インターナショナルエアロビックチャンピオンシップ日本代表。 2015年学生エアロビック選手権優勝。 フィットネスウエアブランド「CLAP」ライダー。 複数のウェブメディアを立ち上げ13億円のメディア売却事業にも携わる。