「大学3年生、紙ぺら一枚のプレゼンから始まった」テーブルクロス代表取締役 城宝薫さん(25)の起業リアル

もしあなたが日常的にやっている行動が、誰かのためになるのなら?
この「社会にちょっと良いこと」を実現させるのは、グルメアプリ「テーブルクロス」。
外食をする時にアプリから予約をすると、予約した人数分の給食が途上国のこどもたちへ届けられるサービスです。

株式会社テーブルクロス

現在ダウンロード数40万以上、掲載店舗数10,000店、190,603食の給食を運ぶテーブルクロスの生みの親、城宝薫代表取締役の起業リアルに迫りました。

株式会社テーブルクロス代表取締役 城宝薫さん
1993年生まれ。立教大学経済学部在学中に企業と提携して新商品開発を行う学生団体「Volante(ボランチ)」を創設し、関東、関西、台湾に支部を広げて活動。中高生時代の生徒会活動や浦安市とアメリカフロリダ州オーランドを繋ぐ親善大使活動などを通じて、ビジネスと社会貢献の融合への関心が高まり、テーブルクロスの事業を考案。社会人や投資家などの支援により、大学3年生の時にサービスを本格始動させ、現在も精力的に活動中。

「自分は幸せだったんだ」小学生の頃の気づきを胸に、大学3年次に起業。

とりす
学生時代からよく海外に行かれていたそうですが、途上国への支援を始めたきっかけは何だったのでしょうか?
城宝さん
小学校の時にインドネシアに家族で行ったことがあって。自分と同じ年の友達が、学校に行かずにゴミ山にゴミを拾いに行ってお金に換えてる姿をみたりしたことに、すごく衝撃を受けました。悲しいというよりも「自分は幸せだったんだ」と気づいたんですよね。
とりす
そこから自分にできることを始められたんですね。
城宝さん
そうですね。地道に募金活動やボランティアなどを行っていました
とりす
起業という選択肢はどこから来たのですか?
城宝さん
高校生でアメリカに留学してた時にお世話になったNPOの団体が、寄付やボランティアを募るよりも団体としての価値(売り上げや仕組みづくり)を重要視していたんです。なぜそうなんだろうと思って聞いてみたら
「寄付やボランティアだけじゃ長期的な課題解決にはならない。仕組みづくりが大事なんだ。」と言われて、はっとしました。ボランティアばかりやっていてもダメなんだって。

紙ぺら一枚のプレゼンから、1億円以上の資金調達へ

とりす
大学3年生で起業とのことですが、最初の資金集めはどうやってされたんですか?
城宝さん
両親や学校の先生、その知り合いの方に話を聞いてもらうとこからですね。
とりす
身内からだったのですね。どのようにプレゼンされたのでしょうか?
城宝さん
紙ぺら一枚で話をしていました(笑)

とりす
え!!すごいです。
城宝さん
自分でも、話ながら何を言ってるのかわからなくなる時もあるくらい、上手とは言えないプレゼンだったと思います(笑)今考えると、よく応援してくださったなって、感謝ですね。
とりす
投資してくれたポイントは、なんだったと思いますか?
城宝さん
「若いから」じゃないですかね。若くて熱い子がいるから応援しようって感じじゃないでしょうか。
とりす
城宝さんの相当な熱量と説得力もあったんでしょうね。お話しているだけで応援したくなる気持ちになってきます。
城宝さん
2500万円の資金をもって政策金融公庫に行ったのですが、審査も3回落ちましたね。学生に融資した事例がなかったらしくて。ようやく4回目で審査が通り、そこからVCも集まって1億円以上の資金調達ができました。
とりす
すごい、学生でそこまでできるんですね。
城宝さん
でも2年間くらいずっと赤字でした。2人でやっていたのですが、私が女子校育ちというのもあり、パートナー(男性)とのコミュニケーションも上手く取れなくて。悩みや感情表現の仕方から意識していきましたね。

グローバルEYにおいて世界の女性起業家の1人として選出された様子

女性起業家としてのリアル。キャリアとプライベートは

とりす
個人的に気になっていることがあるのですが…
城宝さん
はい!なんでしょう?
とりす
城宝さんは、どんな男性を好きになるんですか?
城宝さん
どんな状況でも仕事をしているのがすごく幸せなので、プライベートに求めることは「癒し」とかになってきますね。
ちなみに男性を見る目は、本当になかったです(笑)
とりす
なんだか親近感がわきました(笑)女性としてのライフワークも考えてありますか?
城宝さん
こどもが欲しいという願望は昔からあります。年々仕事でできることが増えていって、このままだと仕事が楽しくて結婚しなさそうなので、結婚は早めがいいなと思ってますね。
とりす
確かにそうなってしまいますよね。先まで見据えられているのもさすがです。
城宝さん
それこそ私は、気持ちを言語化するのが苦手で人に当たってしまうこともありましたし、プライドの高さが邪魔をして人に悩みを相談できないこともありました。
でも冷静にひとつひとつ問題を解決していけば、大したことじゃないことも多いなって。これは女性起業家ならではの悩みかもしれないです。
とりす
その不器用さも、人としての魅力なのかもしれないですね。
城宝さん
それこそ弊社のビジネスモデルに対しても「社会貢献とビジネス、どっちなの?」と聞かれたりするのですが。今では「分けて考えていること自体がナンセンスです」とか言ってしまいます(笑)
とりす
めちゃくちゃかっこいいです。

SDGsとしての価値を提唱。社会貢献が当たり前の世の中に

社会貢献とビジネスを通して、城宝さんが目指す未来に迫ります。

とりす
今後は会社の代表として、目指していることはありますか?
城宝さん
サービスの発展ももちろんそうですが、国連が掲げている持続可能な開発目標「SDGs」への取り組みを、価値として広げていきたいです。
とりす
SDGsは持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成されているのですね。
城宝さん
弊社の事業は「2.飢餓をゼロに 4.質の高い教育をみんなに」に主に当てはまっています。SDGsが発表される前からやっている事業ですし、うちだけでなくほとんどの会社が、この17個に関わる事業をしていると思うのです。その取り組んでいるという価値自体をもっと広げていきたいですね。
とりす
社会貢献がもっと身近になっていくのですね。
城宝さん
日本はまだ社会貢献という文化が根付いていません。私たちのサービスと会社の取り組みを通して、その文化を浸透させていきたいです。
とりす
サービスと会社の発展も、今後もとても楽しみにしています!ありがとうございました!

編集後記

物腰柔らかで、情熱と聡明さの調和の取れた城宝さん。
25歳の女の子という等身大の一面もまた、彼女の魅力のひとつなのでしょう。
取材中にふと出た「やりたいことはすべてやってきました」との言葉が印象的でした。
同世代の女性でここまで実績を残して、大きな価値を生み出している城宝さんに、私も含めた多くの方が背中を押されていることでしょう。
今後も大注目の若手女性起業家、城宝さんとテーブルクロスの今後のご活躍を願っております!

株式会社テーブルクロス
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ABOUTこの記事をかいた人

ASSIST編集長。早稲田大学商学部卒、競技エアロビックはじめダンス歴17年の経験を生かし4~90歳の運動指導に従事。女性のためのヘルシービューティをプロデュース。 2014年インターナショナルエアロビックチャンピオンシップ日本代表。 2015年学生エアロビック選手権優勝。 フィットネスウエアブランド「CLAP」ライダー。 複数のウェブメディアを立ち上げ13億円のメディア売却事業にも携わる。