経営者ASSIST編集長
「日本は1000万稼いでも貧乏」社員0人で年商10億の社長が語る、30代で差がつく仕事の向き合い方
社員0人で年商10億の「フリーランスの王」。
2020年12月17日にKADOKAWAより発売されたビジネス書「稼ぐことから逃げるな」著書であるStockSun株式会社代表取締役の株本祐己さん(30歳)。
自身のTwitter(@StockSun_ceo)では、煽りつつも真髄をつくビジネス論を展開されています。
多くの反響をいただいた当メディアでのインタビューから数年、ウェブでの発信力を持ちながら出版にいたった経緯や、激動の時代を生きていく若者の働き方についてうかがいました。
先の見えない日々の中、しっかり稼いで幸せになりたい私たちの道しるべとなるインタビューです。
「出版はコスパが悪いと思ってました」数年間でのフェーズの変化
初の著書「稼ぐことから逃げるな」ご出版おめでとうございます!
KADOKAWAの編集者との打ち合わせで「出版はコスパが悪い」と仰っていましたが、それでも出版されたのは理由があったのですか?
YouTubeやTwitterで一定数のフォロワー数は獲得していたので、出版での拡散力には正直そこまで期待しておりませんでした。そのため今までは基本的にオファーを断っていたのですが、KADOKAWAさんは最初のオファーからスケジュールなどをかなり具体的に提示してくださったのもあって、ご一緒させていただけたらと思い、出版を決意しました。
たしかに株本さんのYouTube
「年収チャンネル」の人気動画は100万再生超えてますもんね。これを超える影響力を出せるメディアは他になさそう…。
出版はコスパが悪いという理由に関してですが、本って1冊売れてもせいぜい100~200円の印税しか入ってこないんですよ。10万部売れてやっと1000〜2000万円の収入です。ビジネス書なら3万部売れれば良い方でしょう。本を書く時間があったら、普通に事業をしていた方が確実に儲かるんですよね。
(思考が合理的すぎる。)著書に印税は受け取らないと書いてありましたが、出版が収入目的ではなかったからなのですね。出版されて周りの反応はどうでしたか?
おめでとう、とかもほとんど言われなかった気がします(笑)
ビジネスリテラシーが高い人ほど出版への印象は変わってきているのではないでしょうか。今回は商業出版させていただきましたが、自費出版であれば誰でも出版できますからね。ただ、両親や祖母は喜んでくれました。世代間でもギャップはあるかもしれませんね。本当は再生回数100万回の方がすごいんですけど。ただ、この世代間のギャップを乗り越えられる書籍というチャネルは、素晴らしいなと思いました。
著書のタイトルを「うるせえ、雑魚」にしたいと要望を出したら、KADOKAWAさんに却下されたんですよね、と株本さん。
著書を読んでみると、普段のSNSでの圧倒的な「フリーランスの王」よりも、人間味溢れて柔らかい印象でした。ブランディング的には問題なかったのですか?
問題ないです。むしろ今後は、僕の発信はどんどんつまらなくなると思います。
自分の錯覚資産を作り上げて年商10億円までは到達できました。ただこの俗人的なやり方ではこの30億円が限界だと思っています。30億以上を目指すとなると、自分のキャラが邪魔になるんですよ。
会社のフェーズが、変化していくということでしょうか?
そうです。キャラを作って尖った発言をしてきましたが、ここからは事業を伸ばしていくために、サービスや他メンバーの良さに注目を集めていくフェーズです。自戒も兼ねて話しますが、正直、社長の名前だけしか認知されていない会社って、ダサいと思ってます。
「◯ーランドも、30億円の売上はないはずです。」
なるほど。株本さんが有名になった次は、会社名やサービスを有名にしていくことを目指すと。
はい、立上当初は、サービス名や会社名よりも個人名の方が拡散しやすく、印象付けられやすいので、社長が個人名から売りに行く戦略は効果的だと思います。しかしそこで有名になってチヤホヤされて自分の役割を見失う社長は、無能だと思います。僕の本来の会社での役割は、優秀なフリーランスを集めてクライアントの満足度をあげていくことです。メディアに出てタレントになる事じゃないですからね。今後は経営の本質へリソース配分を高めていくフェーズです。
尖った株本節のファンにとっては少し寂しいですが、まさに「稼ぐことから逃げない」を体現されてるんですね。
日本の普通は貧乏、いい暮らしをしたければビジネス戦闘力をあげよ
今から10年ほど前に、学生でインターンをするという選択も珍しいですよね。株本さんの「稼ぐ」マインドが強くなったきっかけはなんだったのでしょうか?
自分の父親が優良企業に勤務していて1000万円の収入があったのですが、僕たちは都心から電車で30分かかるところに暮らしていて、父親は満員電車で毎日出勤していたんですよ。1000万稼いでいても満員電車に乗らないといけないのかって思っていました。僕が小学校から私立だったことも1つの要因ですが。
確かに1000万稼いでいても家や車を買って家族を養うならば、住む場所は限られてそう。
日本での普通って貧乏なんだなって気づいたんです。一方で、高級マンションに家賃何十万円も払って住んでいる人たちもいるじゃないですか。どうやったらこんな生活ができるんだろうとずっと考えていたんです。
(上:2年前 下:現在) そういえば数年前に取材していた時よりも、部屋がグレードアップされてる感じが…
コロナの影響もあって、副業やフリーランスの働き方が注目されていますが、ビジネス戦闘力をあげるためにはどんな挑戦をすればいいと思いますか?
みんな勘違いしてるんですけど、そもそも新しい挑戦なんてしなくていいんです。会社員なら自分の会社で結果を出して、なるべく早くその会社の役員に出世することが一番だと思います。
みんな新しいことをしたがるんですが、副業で稼ぐためには、それ専業の人と戦わなければいけないじゃないですか。月に数万円のお小遣いならまだしも、副業でそれ以上を稼ごうというのは、効率が悪いです。
確かに私のようなフリーのライターでも激しい競走の中で仕事しているので、副業だけですぐに仕事が舞い込んだり、単価のいい案件に行き着くのは難しい気がします…
うまくいく人は、覚悟を決めて独立する決断をできるから強いんですよね。中途半端な挑戦はただの現実逃避です。目の前のことを頑張るに越したことはないです。
「やりたいことを仕事に」は甘すぎる
著書の中でも会社員時代を振り返って「モチベーションは考えない」と仰っていましたが、副業やフリーランスの働き方についても同じ意見ですか?
フリーランスのやるべきことはただひとつ、クライアントの課題解決です。そのプロセスの末端に「ライティング」という業務があるだけにもかかわらず「自分はライティングしかできません」なんて空気が読めてないし、負け確定ですね。結果を出すのに自分のエゴはいらないんです。
耳が痛いです(涙)いかに市場に自分を合わせるかが大事だと。
40年間変わらない仕事なんて世の中にほとんどないですよ。私だって、リスティング広告とSEOの知識しかなく独立しましたが、起業して世間の需要に合わせてYouTubeを研究し始めました。
「20代で居心地よい環境にいるのはやばい」雑魚にならないようにするには
正直、株本さんほど突き抜けられる自信はないのですが、株本さんが仰る「雑魚」にはなりたくないと思っています。雑魚にならないようにするためには、どうすればいいですか?
「この環境だとレベル的に自分は下の方だと思える環境」に身をおくことですね。きっと居心地が悪いと感じるはずです。20代はそこで頑張るべきです。
居心地よく感じたら、成長が止まっていてる証なのですね。
フリーランスの働き方だって最近やっと注目されていますが、もともと頭のいい人たちはみんな先にやっています。雑魚はその頭のいい人たちの後についてきているだけですね。雑魚が魅力を理解し始めたら、もう遅いんです。
雑魚になりたくなかったら、自分よりも頭のいい人たちがいる環境で、世の中の動きより早く動きましょう、と。
逆に20代で今の環境を居心地よく感じて、今後の人生に対して何も焦っていないなら、やばいと思った方がいいです。
株本さんも20代は、居心地悪い環境で頑張ってこられたんですもんね。
自分の人生がこうなるだなんて思い描いてもいませんでしたが、20代はお金を稼ぐことが簡単にできて、その能力を自分のために使っていました。今は自分の周りの人が稼げるようになる方が楽しいなと、心境の変化があります。
「おじさん的な感情になっているのかもしれないですが。」と笑って仰る株本さん。
最後にこの記事の読者さんに著書のプレゼントキャンペーンをしたいと提案したところ
「いや、なんかそれダサいんでやめてください」とのことでした。
本当に本を売る気がないのかと心配になります。
本質をついたパワーワードの連続で、まるで全て自分に言われているような感覚でしたが、インタビューでは私がまとめやすいように言葉選びをしてくださっていたようで、その姿勢がとても嬉しかったです。
目の前の結果を出すことに向き合っていらっしゃる、経営者の本質が垣間見えた時間でした。
ありがとうございました!
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StockSun株式会社代表取締役 株本祐己さん(@StockSun_ceo)
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著書「稼ぐことから逃げるな」