「自由でいられるために、仕事は自分で取りに行く」副業からフリーランスライターへ。黒木莉紗さん

働き方改革で、副業への取り組みも後押しされつつある近年。
会社員の傍で副業を初めて、副業が本業になり独立するケースも耳にするようになりました。

副業を始めるきっかけは人それぞれでしょうが、「好きなこと」が仕事になる喜びはきっと人生を豊かにしてくれるのでしょう。

美容・旅行ライターの黒木莉紗さんは、学生時代のインターンでメディアの魅力に触れ、会社勤めをしながら副業でライターとして活動。その後独立し、フリーランスになった経歴の持ち主です。

「好きなことしかやらない自分らしさ」を貫いてきた黒木さんは、どのように副業からのフリーランスというキャリアを歩んで来られたのでしょうか。


黒木莉紗さん(@vintorisa)美容・旅行ライター
1994年生まれ、東京都東村山市出身。東京女子大学英文科卒業、現在はフリーランスのライターとして「PLAY LIFE」「by birth」で執筆している。芸能事務所Wildflower Managementに所属し、モデルとしても活動。

「本当にこれでいいのか?」周りの普通をつまらないと感じた学生時代

ー学生時代にインターンをされていたそうですが、きっかけを教えてください。

インターンをしようと思ったのは周りが就職を意識はじめた大学2年生の秋で「自分も何かやらなきゃ」という、漠然とした思いからでした。高校時代は真面目で厳しい学校にいたので、その反動で大学生だからこそできる経験をたくさんしたいなって。

最初のインターンはフリーマガジンを作っている団体で、ライティングやラジオの放送のサポートをしました。仕事をやっていくうちに何となく「メディアの仕事って楽しいな」と思うようになったんです。よく考えると自分は昔からノートをまとめたり何かを書いたりまとめたりするのが好きだったということに気づきました。

ー大手のメディアでもインターンをされたと聞きました。学生時代からそこまで活動的であるのは珍しいですよね?

そうですね。毎日学校にいって、大学生あるあるなアルバイトをして….というような、みんなが通る道を自分はつまらなく感じました。実際にそういうことをやっていた時期もあったのですが、とにかく色々やってみたいという気持ちが強かったんです。周りが大手企業に就職して安定を求める人が多かったものの、私は人とは違う道を迷いなく歩んでいました。

就職しつつ副業を始め、フリーランスの道へ

ーブライダル業界に就職するも、副業でライターをされていたんですね。副業するきっかけを教えてください。

本業にやりがいを感じられなくなった頃、「自分はこのままでいいのか」という不安がよぎりました。その時に友人からライターの仕事を紹介されて、やっぱり書くことが好きだと思ったんです。私は続けてこれたものが少なく、飽き性なのですが、唯一続けてこれたのがライターの仕事でした。

そこから独立したのも、今となっては向こう見ずだと思いますが「やりたいこと」の気持ちに従った決断でした。周りは驚いていましたが、フリーランスとして好きな仕事をしていきたいって思うようになったんです。

ーゼロからのフリーランスで、どのように仕事を獲得されてきましたか?

独立したての頃は何でもいいから仕事をしなければと思って「ライター 募集」と検索して、片っ端から応募していました。結果的に7つメディアの執筆を掛け持ちをするようになったのですが、精神的にきつかったですね。今は結婚して家事をしているのもあって、2つのメディアに絞って執筆させていただいてます。モデルの仕事も、知り合いから機会をいただいたので、チャレンジしてみたのがきっかけでした。

「責任を持った選択を」フリーランスとしての苦悩

ーフリーランスでの活動の中で、苦労したことはありますか?

フリーランスのライターといっても、ただ好き勝手に文章を書けるわけではありません。添削されて厳しい言葉をいただいても、めげないメンタルは必要ですし、時には誤字があっただけで契約を切られたこともありました。新しく立ち上げられたメディアで執筆を任されていても実現されなかったり…
突然別ジャンルの記事の執筆を求められることや、ライターなのに画像の編集を唐突に頼まれたこともありますし、フリーランスは曖昧な契約が多いのも事実です。

メディアによってスタンスが異なるので、自分が活動したいと思える場所は責任を持って選んでいかなければいけないんだと、身に染みました。最初は様子を見つつ色んなことを試しつつ信頼関係を構築して、徐々に仕事を絞っていくやり方も、一つの手段ではないでしょうか。

ーライティングスキルだけでなく、自分がどの環境で仕事をするかを見極めるのも大切なのですね。

フリーランスで活動していると周りとの繋がりも増えて、紹介で仕事をいただくことも多いくなります。しかし私は逆に、人からの紹介に甘えないようにしています。

実際に「PLAY LIFE」のライターの仕事は、元々は友人がライターをやっていて知ったのですが、その友達の紹介ではなく、人知れず応募をして合格をいただいたんです。友人には合否がわかってから応募していたことを報告しました。繋がりをいかして仕事をいただくのは嬉しいことではありますが、私の場合は紹介でいただいた仕事は、あまり続いてこなかったんです。
紹介をされると気負ってしまい、縛りやしがらみを考えてしまうんですよね。遠慮すると無駄なストレスを感じてしまうので、自分が自由でいられるためにも、フィルター無しで実力だけで選んでいただく方があってると思いました。

家事と仕事のバランスと今後

ー今年ご結婚されたそうですが、家事とフリーランスの仕事の両立はどうされていますか?

主人が会社員で私は主婦でもあるのですが、仕事も頑張りたいので移動の隙間時間に記事を書いたりして、取り組むようにしています。
最初は主婦業にも慣れなくてストレスが溜まり、主人に「もっと仕事もしたいのに、家事に慣れないからきつい」と当たってしまうこともありました。主人は私に多くを求めたりしていないのですが、私が全部完璧にやろうとして、自分の首を締めていたんです。そんな私に対して主人は「もっと俺を使って欲しい」と言ってくれました。
今まで一人で頑張らなければという思いが強かったので、人を頼ることは自分と周りのために大切なことなんだと、初めて気づいたんですよね。理解ある主人に感謝しています。

ー今後の目標はありますか?

ライターの仕事は自分が興味のある分野について発信することが仕事になるので、面白いと思っています。今後は主婦としてのトピックなど、自分らしさを生かした発信をしていきたいです。
仕事と家庭の両方を大切にしていくために、仕事はやれると思える量からちょっと減らした、8割くらいの量で頑張ると決めています。結婚して初めて、自分よりも大事なものために頑張る喜びを感じました。今後も自分の興味に正直に、仕事も家事も楽しんでいきたいです。


黒木莉紗さん 美容・旅行ライター

1994年生まれ、東京都東村山市出身。東京女子大学英文科卒業、現在はフリーランスのライターとして「PLAY LIFE」「by birth」で執筆している。芸能事務所Wildflower Managementに所属し、モデルとしても活動。

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